声優になるには?未経験からのなり方・必要なスキル・費用を徹底解説

声優になるには?未経験からのなり方・必要なスキル・費用を徹底解説

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コエミー

小学生のとき、テレビで観たアニメのワンシーンに釘付けになった。キャラクターが涙を流しながら叫ぶ場面で、画面の向こうから声だけで感情がぶつかってくるあの衝撃。「この声を出しているのは、いったい誰なんだろう」――それが声優という仕事を初めて意識した瞬間でした。同じような経験をした方も、きっと少なくないはずです。

ただ、いざ「声優になりたい」と思っても、何からどう動けばいいのかわからない。筆者自身もそうでした。ここでは声優になるための3つのルートから、必要なスキル、年齢別のアドバイス、費用、自宅でできるトレーニングまでまとめています。

声優になるには?3つのルートを徹底解説

声優になるには、大きく分けて3つのルートがあります。それぞれの特徴を理解して、自分に合った道を選びましょう。

養成所・専門学校・オーディション、3つのルートのイメージ

【ルート1】声優養成所に通う

声優養成所は、声優事務所が直接運営している育成機関です。最も一般的な声優への道であり、多くのプロ声優がこのルートを経ています。

養成所の特徴

  • 声優事務所に直結しているため、デビューのチャンスが多い
  • 実践的なレッスンが中心(アフレコ、ナレーション、ラジオドラマなど)
  • 期間は1〜2年が一般的
  • 入所オーディションがある場合が多い

代表的な養成所

  • 日本ナレーション演技研究所(日ナレ)
  • 青二塾
  • 俳協ボイス
  • 81ACTOR’S STUDIO

養成所は事務所との距離が近いため、在籍中にオーディションの機会を得られることが大きなメリットです。ただし、入所オーディションの倍率が高い養成所もあるため、事前の準備が必要です。

【ルート2】声優専門学校に入学する

声優専門学校は、2年間かけて声優に必要なスキルを体系的に学べる教育機関です。

専門学校の特徴

  • 基礎から段階的に学べるカリキュラム
  • 2年制が主流で、しっかり時間をかけて学べる
  • 学歴として認められる(専門士の称号)
  • 入学のハードルが比較的低い

代表的な専門学校

  • アミューズメントメディア総合学院(AMG)
  • 代々木アニメーション学院
  • 東京アニメ・声優&eスポーツ専門学校
  • 専門学校東京声優・国際アカデミー

専門学校は基礎からじっくり学べるため、演技未経験の方にもおすすめです。また、同じ目標を持つ仲間と切磋琢磨できる環境も魅力です。

【ルート3】一般公募オーディションを受ける

養成所や専門学校を経ずに、一般公募のオーディションから直接デビューするルートもあります。

一般公募オーディションの特徴

  • 費用がかからない(参加無料が多い)
  • 年齢や経歴を問わないものもある
  • 合格すれば即デビューの可能性がある
  • ただし、競争率は非常に高い

近年はアニメやゲームの声優オーディションが一般公募で行われることも増えています。しかし、応募者が数千〜数万人に及ぶことも珍しくなく、未経験から合格するのは極めて難しいのが現実です。

基礎スキルを身につけてからチャレンジするのが現実的でしょう。

養成所と専門学校の違いを比較

項目声優養成所声優専門学校
期間1〜2年2年
費用年間30〜50万円2年間で200〜300万円
入学条件オーディションあり書類選考+面接が多い
カリキュラム実践重視基礎から体系的
レッスン頻度週1〜3回週5回(全日制)
事務所との関係直結(所属チャンスあり)提携事務所への紹介
学歴なし専門士の称号
向いている人ある程度基礎がある人未経験から始めたい人

どちらのルートが良いかは、現在のスキルレベル、使える時間、予算によって異なります。迷った場合は、まず養成所の体験レッスンや専門学校のオープンキャンパスに参加して、雰囲気を確かめてみましょう。

声優になるために必要なスキル

声優として活躍するためには、単に「良い声」であるだけでは足りません。ここでは特に意識しておきたいスキルを挙げていきます。

発声・腹式呼吸

声優の基本中の基本が、正しい発声と腹式呼吸です。

腹式呼吸ができると、安定した声量で長時間の収録にも耐えられます。声に芯が通り、マイクにしっかりと乗る声を出せるようになります。

気をつけたいのは、お腹から声を出す感覚をつかむこと、息のコントロールで声の強弱をつけること、そして喉に負担をかけない発声法を身につけることです。実際にやってみると、胸式呼吸との違いを体感するまでに1〜2週間はかかる人が多いので、焦らず続けてみてください。

滑舌力

セリフを正確に、明瞭に発音する力は声優にとって不可欠です。

アニメのアフレコでは、映像に合わせて瞬時にセリフを発する必要があります。少しでも滑舌が甘いと、視聴者に正確に伝わりません。

特にサ行、ラ行、濁音、拗音(きゃ、しゅなど)の発音は、つまずきやすい部分です。ぶっちゃけ、苦手な行を自覚するだけでもけっこう練習の質が変わります。

滑舌トレーニングについてさらに詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください。

関連記事:滑舌を良くする方法は?自宅でできる滑舌トレーニングを紹介!

演技力・感情表現

声優は「声の俳優」です。声だけでキャラクターの喜怒哀楽を表現する演技力が必要です。

  • 喜び、怒り、悲しみ、驚きなどの基本感情の表現
  • キャラクターの性格や年齢に合わせた声の使い分け
  • セリフの行間にある感情を読み取り、表現する力

演技力は才能だけでなく、訓練で伸ばせるスキルです。舞台演技や映画鑑賞など、さまざまな表現に触れることも欠かせません。

コミュニケーション能力

声優の仕事は、一人で完結するものではありません。

  • 音響監督やディレクターの指示を的確に理解する力
  • 共演者との息を合わせる協調性
  • マネージャーやスタッフとの円滑な関係構築

業界内での人間関係は、仕事のチャンスにも直結します。技術力と同じくらい、人付き合いの力が問われる世界なんですよね。

読解力・国語力

台本を正しく理解し、キャラクターの気持ちや場面の状況を把握する力が必要です。

  • 漢字の正確な読み
  • 文脈から感情やニュアンスを読み取る力
  • 物語全体の流れを理解する構成力

初見の台本でも素早く内容を把握し、適切な演技プランを立てられることが、プロとして求められます。

【年齢別】声優になるためにやるべきこと

声優を目指すのに「遅すぎる」ということはありません。年齢に応じた最適なアプローチを紹介します。

中学生が声優を目指す場合

中学生のうちは、基礎力を徹底的に鍛える時期です。

やるべきこと

  • 国語の勉強をしっかり行い、読解力を高める
  • 演劇部や放送部に所属して、人前で声を出す経験を積む
  • 腹式呼吸や滑舌の基礎トレーニングを始める
  • アニメや映画を観て、声優の演技を研究する
  • 週末に通えるジュニアクラスのある養成所を検討する

注意点 中学生向けのレッスンを提供している養成所もあります(日ナレのジュニア声優クラスなど)。ただし、学業との両立が最優先です。

高校生が声優を目指す場合

高校生は、本格的に声優への道を選択する重要な時期です。

やるべきこと

  • 養成所の入所オーディションに挑戦する
  • 高校卒業後の進路を考える(養成所 or 専門学校)
  • 文化祭や学校行事で演技経験を積む
  • ボイストレーニングを本格的に開始する
  • オープンキャンパスや体験レッスンに積極的に参加する

進路の選択肢

  1. 高校卒業後すぐに養成所に入る
  2. 声優専門学校に進学する
  3. 大学に進学しながら養成所に通う

将来の選択肢を広げるためにも、大学進学と養成所の両立は現実的な選択肢です。

大学生が声優を目指す場合

大学生は、時間の融通が利くため、養成所に通いやすい時期です。

やるべきこと

  • 週1〜2回のレッスンがある養成所に通う
  • 大学の演劇サークルで演技経験を積む
  • アルバイトでレッスン費用を稼ぐ
  • インターンシップや業界イベントに参加する
  • 就職活動の時期と声優活動のバランスを考える

大学在学中に養成所に通い、卒業までにデビューを目指すのが理想的です。万が一声優としてのキャリアが難しい場合にも、大学卒業の学歴があれば進路変更がしやすくなります。

社会人・未経験から声優を目指す場合

社会人から声優を目指す方も少なくありません。

やるべきこと

  • 夜間や週末のクラスがある養成所を選ぶ
  • まずは基礎から学べるコースに入る
  • 仕事と両立しながらスキルを磨く
  • 声優以外の音声の仕事(ナレーション、ボイスオーバーなど)も視野に入れる

現実的なアドバイス 社会人から声優を目指す場合、すぐに仕事を辞めることはおすすめしません。まずは養成所に通いながら実力をつけ、手応えを感じてから本格的に転向を検討しましょう。

近年は、ゲームアプリやYouTube動画のナレーションなど、声の仕事の幅が広がっています。従来のアニメ声優だけでなく、さまざまな活躍の場があることを知っておきましょう。

声優になるための費用はどのくらい?

声優を目指すうえで、費用は避けて通れない現実的な問題です。ルート別の費用相場を見てみましょう。

声優養成所の費用相場(年間30〜50万円)

費用項目金額の目安
入所金5〜10万円
年間授業料20〜40万円
教材費1〜3万円
年間合計約30〜50万円

養成所は比較的リーズナブルで、アルバイトをしながらでも通える金額です。レッスンが週1〜3回のため、学業や仕事との両立がしやすいのもメリットです。

声優専門学校の費用相場(2年間で200〜300万円)

費用項目金額の目安
入学金10〜20万円
年間授業料80〜130万円
施設費・教材費10〜20万円/年
2年間合計約200〜300万円

専門学校は全日制のため費用は高めですが、その分カリキュラムが充実しています。奨学金制度を利用できる学校も多くあります。

費用を抑える方法

声優を目指したいけれど費用が心配という方には、以下の方法があります。

  1. 奨学金・特待生制度を活用する 成績優秀者や入学オーディション上位者に対して、学費の一部または全額を免除する制度がある学校もあります。

  2. 夜間・週末コースを選ぶ 全日制より費用が抑えられることが多く、仕事を続けながら通えます。

  3. 自主練習を充実させる 養成所に通う前に、自宅でできるトレーニングで基礎力を上げておくと、養成所での上達が早くなり、結果的にコストパフォーマンスが良くなります。

  4. 一般公募オーディションに挑戦する 応募は基本的に無料です。実力がある方は、養成所を経ずにデビューできる可能性もあります。

今日から自宅でできる声優トレーニング

声優を目指すなら、養成所や専門学校に通う前から自宅でトレーニングを始めましょう。以下の練習を毎日続けることで、基礎力が確実に身につきます。

自宅の机でスマホに向かって発声練習しているイメージ

腹式呼吸の練習方法

腹式呼吸は、すべての発声の土台です。

基本の練習

  1. 仰向けに寝て、お腹に手を当てる
  2. 鼻からゆっくり4秒かけて息を吸い、お腹を膨らませる
  3. 口から8秒かけてゆっくり息を吐き、お腹をへこませる
  4. これを10回繰り返す

ステップアップ

  • 吐く時間を少しずつ延ばす(10秒、15秒、20秒)
  • 「あー」と声を出しながら長く伸ばす練習
  • 立った状態でも同じように腹式呼吸ができるようにする

毎日5分でも続ければ、1ヶ月ほどで腹式呼吸が自然にできるようになります。ただし、正直すぐに目に見える変化は感じにくいです。「本当にこれで合っているのか?」と不安になる時期がありますが、続けた人とそうでない人とでは3ヶ月後に明らかな違いが出ます。

滑舌を鍛える早口言葉トレーニング

早口言葉は滑舌トレーニングの定番です。最初はゆっくり正確に、慣れてきたらスピードを上げましょう。

初級

  • 生麦生米生卵(なまむぎなまごめなまたまご)
  • 赤巻紙青巻紙黄巻紙(あかまきがみあおまきがみきまきがみ)
  • 隣の客はよく柿食う客だ

中級

  • 東京特許許可局(とうきょうとっきょきょかきょく)
  • 新進シャンソン歌手総出演新春シャンソンショー
  • 魔術師手術中(まじゅつししゅじゅつちゅう)

上級

  • 骨粗鬆症訴訟勝訴(こつそしょうしょうそしょうしょうそ)
  • 竹藪に竹立てかけたのは竹立てかけたかったから竹立てかけた

練習するときは、スピードより正確さを優先してください。まずはゆっくり一音一音をはっきり発音し、苦手な行(サ行、ラ行など)は重点的に繰り返すのが上達への近道です。

朗読・台本読みの練習

朗読は、演技力・読解力・発声の総合的なトレーニングになります。

練習方法

  1. 好きな小説や絵本を選ぶ
  2. まず黙読して内容を理解する
  3. 登場人物の気持ちや場面の情景をイメージする
  4. 声に出して読む(感情を込めて)
  5. キャラクターごとに声を変えて読み分ける

声劇の台本を使った練習も役立ちます。一人で複数の役を演じ分けることで、表現の幅がぐっと広がります。筆者も最初は「全部同じ声になってしまう」状態でしたが、キャラクターの年齢と性格だけでも意識すると、だんだん変化がつけられるようになりました。

関連記事:声劇とは?始め方・やり方を紹介!

録音して自分の声をチェックしよう

自分の声を客観的に聞くことは、上達への近道です。

聴き返すときに意識したいのは、滑舌が明瞭か、声の大きさや高さは適切か、感情が伝わっているか、の3つです。不自然な癖や話すスピードも気になったらメモしておきましょう。

スマホのボイスレコーダーで十分です。毎週録音して聞き比べると、地味に成長が見えてきてモチベーションになります。正直、最初は自分の声を聴くのが恥ずかしいと思いますが、ここを乗り越えるかどうかで上達スピードに差が出ます。

声優の仕事内容と収入のリアル

声優を目指すなら、仕事の実態も知っておきましょう。

声優の主な仕事の種類

声優の仕事は、アニメのアフレコだけではありません。

仕事の種類内容
アニメテレビアニメ、劇場版アニメのキャラクターボイス
洋画吹き替え海外映画やドラマの日本語吹き替え
ゲームゲームキャラクターのボイス
ナレーションテレビ番組、CM、企業VP
ラジオラジオ番組のパーソナリティ
オーディオブック書籍の朗読
アナウンス駅や施設のアナウンス
ライブイベント声優ライブ、朗読劇、トークショー

近年はYouTubeやポッドキャスト、VTuberなど、新しい活躍の場も広がっています。

声優の年収・ギャラの仕組み

声優の収入は、キャリアや仕事量によって大きく異なります。

ランク制(日本俳優連合の基準) アニメのアフレコは「ランク制」で報酬が決まります。

  • ジュニアランク:1本あたり約15,000円
  • ランク15:1本あたり約45,000円
  • ランク上位:1本あたり数十万円以上

年収の目安

  • 新人〜若手(デビュー1〜3年):年収0〜100万円程度
  • 中堅(活動5〜10年):年収200〜400万円程度
  • 売れっ子声優:年収1,000万円以上

新人のうちはアルバイトとの兼業が一般的です。声優だけで生活できるようになるまで、数年かかることを覚悟しておきましょう。

声優業界の現実と覚悟すべきこと

声優を目指すうえで、知っておくべき現実があります。

  • 競争率の高さ
    • 声優志望者は年間数万人と言われていますが、プロとして食べていけるのはほんの一握りです
  • 不安定な収入
    • 特に若手のうちは仕事が安定せず、収入が不安定になりがちです
  • 長い下積み期間
    • デビューしてすぐに主役を演じられることは稀です。エキストラやモブ役から経験を積みます
  • 継続的な努力
    • デビュー後も技術を磨き続ける必要があります。実力の世界なので、努力を怠るとすぐに仕事がなくなります

厳しい世界ですが、だからこそ声優という仕事には大きなやりがいがあります。覚悟を持って挑戦しましょう。

声優オーディションの種類と受け方

声優としてデビューするために避けて通れないのが、オーディションです。

オーディション会場の廊下で台本を見直す受験者のイメージ

養成所・事務所オーディション

養成所への入所や事務所への所属を決めるオーディションです。

審査内容(一般的な例)

  1. 書類審査(履歴書、写真、自己PR)
  2. 実技審査(セリフ読み、ナレーション、フリートーク)
  3. 面接

準備すべきこと

  • 自己PRを簡潔にまとめる(30秒〜1分)
  • セリフやナレーションの練習(指定台本がある場合も)
  • 清潔感のある服装と身だしなみ

一般公募オーディション

アニメやゲームの声優を一般から募集するオーディションです。

特徴

  • 誰でも応募できる
  • 応募者が非常に多い(数千〜数万人)
  • 音声データの提出が一次審査になることが多い

代表的な一般公募オーディション

  • 声優アワード新人発掘オーディション
  • 各アニメ制作のキャラクターオーディション
  • ゲーム会社の声優オーディション

オーディションに合格するために

オーディションで審査員の印象に残るには、まず自分の強みを明確にすることが欠かせません。声質、演技の幅、特技など、他の応募者と差別化できる武器を持っておきましょう。

ボイスサンプルの提出を求められることも多いので、さまざまなキャラクターの演じ分けができることをアピールできる内容にしておくと有利です。

関連記事:ボイスサンプルの作り方ガイド

指定台本がある場合は、ただ読むだけではなくキャラクターの背景や感情まで深く読み込むこと。緊張は当然のことなので、深呼吸やストレッチで体をほぐしてから臨みましょう。

そして何より、一度で合格することは稀だという現実を受け入れること。不合格でも改善点を見つけて次に活かす姿勢が、最終的にチャンスをつかむ人の共通点です。

自宅での練習に加えて、誰かに聴いてもらう場を持つと成長スピードが変わります。声の投稿に特化したcoemeeなら、セリフや朗読のお題に挑戦しながら他のユーザーの演技も参考にできるので、一人練習のマンネリ化を防ぐのに使えます。

まとめ

声優への道は、養成所・専門学校・一般公募オーディションといったルート選びから始まり、発声や滑舌、演技力といった基礎スキルの積み重ねが続きます。費用や業界の厳しさなど現実的なハードルもありますが、中学生から社会人まで、いつからでも挑戦できるのがこの世界の良いところです。

大事なのは情報を集めた「その先」で、実際に声を出すかどうか。腹式呼吸でも早口言葉でも、今日できる小さな一歩が、半年後の自分をつくります。

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