滑舌を良くする方法は?自宅でできる滑舌トレーニングを紹介!
夜、部屋で一人、スマホに向かって「なまむぎなまごめなまたまご」を繰り返す。10回連続で言えたと思ったのに、録音を聞き返すと後半がぐちゃぐちゃ――筆者にもそんな時期がありました。
滑舌の悩みは、正しいトレーニングを地道に続ければ確実に改善します。ここでは、自宅ですぐに取り組める練習メニューを紹介していきます。
滑舌とは?まず基本を理解しよう
滑舌の定義
滑舌(かつぜつ)とは、言葉や音を明瞭に発音する能力のことです。「滑舌が良い」とは、一つ一つの音がはっきりと聞き取れる状態を指します。
言語学的には、 構音(こうおん) とも呼ばれ、舌や唇、歯、声帯などの発音器官を適切に動かして音を作り出す技術のことです。
滑舌が良い人・悪い人の特徴
滑舌が良い人の特徴
- 一つ一つの音がはっきり聞こえる
- 早口で話しても内容が理解できる
- 声が通りやすく、遠くまで届く
- 聞き手に安心感や信頼感を与える
滑舌が悪い人の特徴
- 言葉が不明瞭で聞き取りにくい
- 特定の音(ラ行、サ行など)が苦手
- もごもごとした話し方になる
- 聞き返されることが多い
滑舌が与える印象への影響
滑舌は、思っている以上に相手からの印象を左右します。
ビジネスの場ではプレゼンや商談の説得力に直結しますし、日常会話でも聞き返される回数が減ると、それだけでストレスが減ります。配信や録音をしている人なら、滑舌の良し悪しがコンテンツの質にそのまま反映されるのを実感しているはずです。
地味なようで、滑舌を鍛えるだけで「話すこと」全般がラクになります。
滑舌が悪くなる原因を知ろう
滑舌を改善するには、まず「なぜ自分の滑舌が悪いのか」を把握するところから始めましょう。
1. 舌や口周りの筋肉の衰え
普段から小さな声で話していたり、口をあまり動かさずに話す習慣があると、舌や口周りの筋肉が衰えてしまいます。
筋肉が衰えると、舌の動きが鈍くなり、特定の音(ラ行、サ行、タ行など)の発音が曖昧になります。
2. 口の開け方が小さい
口をあまり開けずに話すと、音が口の中にこもってしまい、明瞭な発音ができなくなります。
日本語は英語と比較して口の動きが小さくても通じやすい言語ですが、それでも適切な口の開き方は重要です。
3. 呼吸が浅い・腹式呼吸ができていない
呼吸が浅く、胸だけで呼吸している(胸式呼吸)と、声に力がなく、発音も不安定になります。
腹式呼吸ができると、安定した息の流れで発音でき、滑舌も自然と良くなります。
4. 緊張やストレス
緊張すると、無意識に体が硬くなり、喉や舌の動きも硬くなります。
リラックスした状態でないと、本来の発音能力を発揮できません。
5. 早口で話す癖
早口で話すと、舌や口の動きが追いつかず、発音が曖昧になりがちです。
特に緊張しているときや焦っているときは、無意識に早口になってしまうことがあります。
【準備編】滑舌トレーニング前のウォーミングアップ
本格的なトレーニングの前に、口周りの筋肉をほぐすウォーミングアップを行いましょう。
表情筋のストレッチ

やり方
- 目と口を思いっきり閉じて、顔全体をギュッと中心に寄せる(5秒キープ)
- 目と口を大きく開けて、顔全体を外側に広げる(5秒キープ)
- これを3〜5回繰り返す
このストレッチで、顔全体の血行が良くなり、筋肉がほぐれます。
口周りのマッサージ
やり方
- 両手の人差し指と中指で、頬を円を描くようにマッサージ(10回)
- 顎の付け根から耳に向かって、優しく押し上げる(5回)
- 口の周りを指で軽く叩く(20秒)
マッサージで筋肉の緊張をほぐし、動きやすい状態を作ります。
リップロール・タングトリル
リップロール 唇を軽く閉じた状態で、「ブルルル」と唇を震わせながら息を吐きます。 → 唇周りの筋肉をリラックスさせる効果があります。
タングトリル 舌先を上の前歯の裏に軽く当てて、「トゥルルル」と舌を震わせます。 → 舌の柔軟性が高まります。
どちらも30秒×2セット行いましょう。
【実践編】自宅でできる滑舌トレーニング7選
それでは、具体的なトレーニング方法を紹介します。
1. 母音の発声練習(あいうえお体操)
母音は日本語の土台です。母音をしっかり発音できるようになると、滑舌に大きな違いが出ます。
基本のあいうえお
やり方
- 「あー」「いー」「うー」「えー」「おー」とゆっくり大きく発音
- 各母音を3秒ずつ伸ばす
- 口の形を鏡で確認しながら行う
口の形の目安として、「あ」は口を縦に大きく開け、「い」は口角を横に引いて前歯を見せます。「う」は唇を前に突き出し、「え」は「い」よりも少し口を開ける感覚。「お」は唇を丸くすぼめてみてください。
あえいうえおあお体操
やり方 「あえいうえおあお」「かけきくけこかこ」「させしすせそさそ」…と、五十音を一音ずつ練習します。
例
- あえいうえおあお
- かけきくけこかこ
- させしすせそさそ
- たてちつてとたと
このパターンで、全ての行を練習しましょう。
2. 舌のストレッチ・トレーニング

舌回し運動
やり方
- 口を閉じた状態で、舌を歯の表面に沿ってゆっくり回す
- 右回り10回、左回り10回
- これを2〜3セット行う
舌の筋肉が鍛えられ、舌の動きがスムーズになります。おまけにほうれい線の予防にも役立ちます。実際にやってみると、最初は10回もいかないうちに舌がつりそうになる人もいるので、無理せず少しずつ回数を増やしてみてください。
舌の上下左右運動
やり方
- 口を開けて、舌を思いっきり上に伸ばす(5秒)
- 舌を思いっきり下に伸ばす(5秒)
- 舌を右に伸ばす(5秒)
- 舌を左に伸ばす(5秒)
- これを3セット行う
舌の可動域が広がり、発音がしやすくなります。
3. 子音の発声練習
日本語の子音(か行、さ行、た行など)を重点的に練習します。
カ行・タ行・ラ行の練習
カ行 「かきくけこ、かきくけこ、かきくけこ」と3回繰り返す
タ行 「たちつてと、たちつてと、たちつてと」と3回繰り返す
ラ行 「らりるれろ、らりるれろ、らりるれろ」と3回繰り返す
ラ行は特に難しいので、舌先を上の前歯の裏に軽くタッチするイメージで発音しましょう。
パ行の破裂音練習
やり方 「パパパパパ」「ピピピピピ」「プププププ」「ペペペペペ」「ポポポポポ」
唇をしっかり閉じて、破裂するように発音します。唇の筋肉が鍛えられます。
4. 早口言葉トレーニング【難易度別】

早口言葉は、滑舌トレーニングの定番です。難易度別に紹介します。
初級編
まずはゆっくり、正確に発音することを意識しましょう。
-
生麦生米生卵(なまむぎなまごめなまたまご)
- マ行とナ行の練習に効果的
-
赤巻紙青巻紙黄巻紙(あかまきがみあおまきがみきまきがみ)
- カ行とマ行、ア段の練習
-
隣の客はよく柿食う客だ
- カ行とキャ行の練習
-
蛙ぴょこぴょこ三ぴょこぴょこ合わせてぴょこぴょこ六ぴょこぴょこ
- リズム感と拗音(小さいゃゅょ)の練習
-
坊主が屏風に上手に坊主の絵を書いた
- サ行とザ行、ジョの練習
中級編
初級がスムーズに言えるようになったら、中級に挑戦しましょう。
-
東京特許許可局(とうきょうとっきょきょかきょく)
- キョの連続が難しい
-
新進シャンソン歌手総出演新春シャンソンショー
- シャ行とソ行の練習
-
魔術師手術中(まじゅつししゅじゅつちゅう)
- ジュとシュの使い分け
-
老若男女(ろうにゃくなんにょ)
- ニャとニョの拗音練習
-
バスガス爆発(ばすがすばくはつ)
- バ行とサ行の組み合わせ
上級編
かなり難易度が高いですが、これができれば滑舌はかなり改善されています。
-
竹藪に竹立てかけたのは竹立てかけたかったから竹立てかけた
- タ行とカ行の練習、リズム感
-
この釘は引き抜きにくい釘だ
- カ行とキ行、ニの連続
-
打者走者勝者走者打者走者勝者走者
- シャとソの高速切り替え
-
骨粗鬆症訴訟勝訴(こつそしょうしょうそしょうしょうそ)
- ショとソの連続、日本一難しい早口言葉とも言われる
-
きゃりーぱみゅぱみゅ
- 拗音の連続と濁音の練習
練習のときは、まずゆっくり正確に言えることを最優先にしてください。正確に言えるようになったら少しずつスピードを上げていきましょう。1日5分でもいいので毎日続けること、そして録音して聞き返す習慣をつけると上達が早いです。ただし、正直なところ早口言葉だけで滑舌がみるみる良くなるわけではなく、地味な基礎練習の積み重ねがあってこそ成果が出ます。
5. 外郎売り(ういろううり)で本格練習
「外郎売り」は、歌舞伎の名台詞で、アナウンサーや声優の滑舌訓練にも使われる有名な文章です。
全文は非常に長いですが、一部を抜粋して紹介します。
拙者親方と申すは、お立会いの中に、
ご存知のお方もござりましょうが、
お江戸を発って二十里上方、
相州小田原一色町をお過ぎなされて、
青物町を登りへおいでなさるれば、
欄干橋虎屋藤右衛門、
只今は剃髪致して、円斎となのります。
このような長文を滑らかに言えるようになると、滑舌力がかなり鍛えられます。
練習の進め方としては、最初は意味を理解しながら短いフレーズごとに区切って読みます。慣れてきたらだんだんつなげて読み、最終的に通しでスムーズに読めることを目指しましょう。ぶっちゃけ全文暗記するくらいまでやり込む人もいます。
6. 朗読・音読練習
新聞や本を声に出して読む
毎日5〜10分、新聞記事や小説を声に出して読む習慣をつけましょう。練習の成果を試したくなったら、coemeeの朗読お題に投稿してみるのも手です。
意識したいのは、ゆっくりはっきり読むこと、句読点で適切に間を取ること、そして感情を込めて読むことです。
シャドーイング
ニュースやラジオを聞きながら、同時に真似して発音する練習方法です。
やり方
- NHKニュースやラジオを用意
- 音声を聞きながら、0.5秒遅れで真似して発音
- イントネーションやリズムも真似る
プロのアナウンサーの発音を真似ることで、自然と滑舌が良くなります。ただ、シャドーイングは難易度が高めで、最初は全然ついていけないと思います。それでも繰り返すうちに口が慣れてくるので、諦めずに試してみてください。
7. 割り箸を使ったトレーニング
割り箸を口に横向きにくわえて発音練習をすると、口を大きく動かす訓練になります。
やり方
- 割り箸を横向きに軽くくわえる(奥歯で噛む)
- その状態で「あいうえお」や早口言葉を発音
- 5分間練習する
- 割り箸を外して、もう一度同じ文章を発音
割り箸を外した後、驚くほど発音がクリアになっているはずです。
滑舌トレーニングの効果を最大化するコツ
毎日継続することが最重要
滑舌改善に魔法のような即効性はありません。最も欠かせないのは継続です。1日5分でもいいので、朝の歯磨き後や通勤中など、日常の中に練習を組み込んでしまいましょう。完璧を目指さなくて大丈夫です。
「3日坊主で終わる人が多い」と言われる滑舌トレーニングですが、3ヶ月続ければ確実に変化を感じられます。
録音して客観的に確認する
スマホのボイスレコーダーで自分の声を録音し、聞き返してみましょう。
聞き取りにくい音はないか、早口になっていないか、声は明瞭かをチェックしてみてください。自分の声を聞くのは最初かなり抵抗がありますが、客観的に聞くことで改善すべき箇所がはっきり見えてきます。
正しい姿勢で行う
良い姿勢
- 背筋を伸ばす
- 顎を軽く引く
- 肩の力を抜く
- 足を肩幅に開く(立っている場合)
姿勢が悪いと、呼吸が浅くなり、発音にも悪影響を及ぼします。
ゆっくり・はっきりから始める
早口言葉も、最初はゆっくり正確に発音することを意識してみてください。
速さよりも正確さを優先しましょう。正確に発音できるようになれば、自然とスピードもついてきます。
鏡を見ながら口の動きをチェック
鏡で口の動きを確認しながら練習すると、以下のことがわかります:
- 口が十分に開いているか
- 舌の位置は正しいか
- 左右均等に動いているか
視覚的なフィードバックは、上達を早めます。
滑舌改善に効果的な日常習慣
トレーニング以外にも、日常生活で意識できることがあります。
よく噛んで食事する
食事の際、しっかり噛むことで、顎や口周りの筋肉が鍛えられます。
目安 一口30回噛む
よく噛む習慣は、滑舌改善だけでなく消化促進にも役立ちます。
意識的に口を大きく開けて話す
日常会話でも、意識的に口を大きく開けて話すようにしましょう。
最初は少し恥ずかしいかもしれませんが、慣れると自然にできるようになります。
腹式呼吸を意識する
腹式呼吸のやり方
- 仰向けに寝る(または椅子に座る)
- お腹に手を当てる
- 鼻からゆっくり息を吸い、お腹を膨らませる
- 口からゆっくり息を吐き、お腹をへこませる
これを1日10回×3セット行うと、自然と腹式呼吸が身につきます。
まとめ
滑舌は筋トレと同じで、やった分だけ結果が返ってきます。まずは1日5分、今日紹介したトレーニングのどれか1つから始めてみてください。
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