兎魅すぅ🥕兎魅すぅ🥕2026-02-07 13:22

雪に混ざり合う。

雪の降る朝。 今はもうこの世界のどこにも居ないあの人を 想い出した。 その人は雪の降る町に暮らしていた。 よく電話の向こうで 「雪がつもってるよ」と言っていたっけ。 会いたい一心で電車に揺られ、 降りた先に見えた真っ白な景色に心が躍った。 改札を抜け手を振るその人を見つけて 向かう足は軽やかで。 鼻を真っ赤にしながら並んで歩き出し ポケットに迎え入れてくれた手が なんだか照れくさくて。 真っ直ぐ前を向くその人を見つめると 笑顔で「どうした?」って 聞いてくれるのが嬉しかった。 とても弱い人だった。 だからなのか。 優しく穏やかに笑う人だった。 いや、今思えば『儚く笑う』が 正解だったように思う。 居なくなって数年。 月日が流れるごとに 想う時間は減っていき だんだんと日常になっていった。 だけど時々こうして何かを語るように 記憶の片隅から声をかけてくる。 雪と混ざりあったあの人との記憶。

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#朗読#すぅの台本

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