兎魅すぅ🥕兎魅すぅ🥕2026-07-02 11:02

君と花火と助手席と。

動かない。 全くもって動かない。 目的の祭り会場までは あと少しだって言うのに。 家を出るのが遅すぎたのか? 歩いた方が早かったんじゃないか? そんな事より 助手席の彼女と さっきから何も話していない。 彼女はずっと窓の外を見ている。 せっかく浴衣を着て可愛くしてくれたのに それについてだって 今の今まで何も言えていない。 こんな事なら合流してすぐに言えばよかった。 えっと。 会話、会話。 …くっ。 だめだ、なにも浮かばない。 気の利いたセリフのひとつでも言えたら そこから話せそうなものだが。 いやぁ、さすがに怒ってるよな。 焦る心を弄ぶかのように 無情にも鳴り響く打ち上げ花火の音。 …やばい、気まずすぎる。 恐る恐る横目で隣りを見ると同時に 彼女もこちらを向いてきた。 「すごーい!ねぇ!見てみて!! こんなに近いよ!!! きれいだねぇっ!!!」 子供のようにはしゃいでいる。 どうやら怒ってはいない…ようだ。 「ぅわぁ!! 今のすごい大きかったね!」 すっかり窓の向こうに夢中だ。 正直に言おう。 かなりかわいい。 いやしかし、こんなに喜んでくれるとは。 来年はしっかり会場で花火を見よう。 運転席にてそっと心に誓う 僕なのだった。

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#朗読#すぅの台本#花火

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