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【リレー朗読企画】湖鏡(こきょう) 第一回締切10/26

1番のセリフを、幼少期を 思い出しながら読ませていただきました。 まいどはや、城生悠正でっす(´∀`*)ポッ 先日のリレー朗読のお題が思いの外好評でしたので第2弾としてこちらを投稿させていただきます。 例の如く留意点、募集要項は熟読くださいm(__)m 以下お題です。 --------------------------------------------- ①(空き) ぼくは、心が少しでももやもやする日があると その日のよる、パパとママがねてから、おうちをでるんだ。 お外はまっくらだけど、こわくはないよ。 お月さまとぼくだけがこのボウケンの「めんばあ」だ。 ②(空き) ねずみ色のミチを、お月さまのほうへすすんでいくと、 「あ、あった!」 めじるしのカンバンだ!・・・ぼくにはなんてかいてあるか、さっぱりわからないけど。 このカンバンをヒダリにまがって、はやしの中にまっすぐ、まっすぐ! ねずみ色のきれいなミチなんかないけど、いつもあるいているからへいきさ! ③(空き) 少しのあいだ、お月さまのおかおはみえないけれど、 もうすぐだ。もうすぐだよ。 それが見えると少しはやあしになっちゃう。 このおおきなヒノキをこえたらすぐそこだ! 「みえた!」 ぼくのだいすきなばしょ。 ここだよ!お星さまとお月さまを、いっぱいうつしてくれるきれいなみずうみ。 ④(空き) そして、ここにいつもいてくれるぼくのイチバンのともだち! みんなにもしょうかいするね。 このみずうみにすんでる、かいじゅうのエコー。 エコーはぼくのはなしを、ずっときいて、ぼくのことなぐさめてくれるんだ。 パパやママにちょくせつ言えないことだって、エコーにはぜんぶ、ぜーんぶおはなししちゃう。 だからぼくは、エコーがいるここがだいすきなんだ! ⑤(空き) …この辺りもすっかり変わってしまった。 都市開発という名の乱暴な森林伐採により生態系も景観も、鼻孔をくすぐる青臭さも、 何もかも当時のそれでは無くなってしまっていた。 そう、ここは「星月(しづき) ニュータウン」と名のついていた場所。 今じゃ当時の住人も四散(しさん)し、地方自治は破綻(はたん)。建物は朽(く)ち、アスファルトは割れ、雑草は伸び放題。 切れた電線は、傾いた電柱から柳の如(ごと)く垂れる始末。 その頃に存在したであろう人間の息吹なぞ、微塵(みじん)も感じ取ることはできない。 ⑥(空き) 星月(しづき) ニュータウンが売り出された時の売り文句、「水面(みなも)に揺れる星と月、その湖を囲う町」 そう、エコーがいた湖を囲うように建てられた無数の無機物。 だが、皮肉なことに、この売り文句は一定の評判を呼び、評判は人を呼んだ。 しかし、トカイから来た奴らからしたらこんな田舎に作られたニュータウンなど退屈極まりない。 エコーのいた湖は素行の悪い奴らの溜まり場となり、すぐに荒れた。 …そしていつしか、エコーはいなくなってしまった。 ⑦(空き) その後、町を出た僕は何の変哲もない人生を送っていた。 だが、こんな凡夫(ぼんぶ)でも仕事や人間関係の悩み、今後の人生を漠然と考えるときに生じる焦燥(しょうそう)はある。 むしろ生きていくことにすら疲弊(ひへい)し、気付けば心はモヤどころか無数の傷がつき、所々大小の穴が空き相当にくたびれていた。 …そして、気付いたらここに来ていた。 分かってる。分かっているさ。そこにエコーはいないってこと。 そんな思いとは裏腹に、踏み出す足はそこへと向いていた。 ⑧(空き) 目印の「カンバン」は今はもう無いけれど、いつも歩いていた道だ。 未だに舗装(ほそう)はされていないし、それどころかゴミや不法投棄の電化製品やらが捨てられている始末。 分解され土に還ることがないはずのそれらですら、腐り落ち、ただれている様(さま)は過ぎていった年月を感じさせる。 あぁ、もうすぐだ。もうすぐだよ。この、大きな檜(ひのき)を超えたさきに…ッ!? 「…なんで?…(な)んだよこれ!?」 ドロドロに朽ちている土手、無造作に湖に突っ込んでいる錆びた自転車やテレビ、 泳いでいる魚達の戯(たわむ)れを容易に確認できたほどの無色透明な水面とは程遠く、 濁り、油が浮き、粘度のあるそれではとても水底(みなそこ)を確認することなんて出来なかった。 ⑨(空き) くたびれた心に追い打ちをかけられ、視界が暗転した。 幼かったあの日あの時、エコーと話した色んなことがフラッシュバックする。 好きな食べ物、好きな色、父や母への愚痴、隣のいじめっ子にされたイタズラ、将来の夢、それらの会話が脳内でグルグルと渦を巻き、忘却の彼方へと消え去っていった。 「嘘だろ・・・なんでなんだよ!?」 悲鳴にも似た叫びを上げたその刹那、 「きゅうん」(※エコーの鳴き声。後にSEとして差し込むので読まないでください。) 幼き日に幾度も聞いたあの鳴き声 「…え、 お前なのか?エコー?」 涙と鼻水とでぐちゃぐちゃになった顔を水面に向ける。 「きゅうぅん!!」(※エコーの鳴き声。後にSEとして差し込むので読まないでください。) そこに、確かに、エコーは、いた。 油とヘドロでドロドロになりながらも、こちらを心配そうに見つめるその眼差しは、あの日のままだった! ⑩(空き) そのガラスのように透き通った瞳の輝きに、懐かしさと愛おしさを感じ、僕は一瞬で童心に帰り、今まで溜め込んでいた感情や言の葉が堰を切った。 この町を出てからの生活のこと、仕事での成功と挫折、心が死んでしまうくらい辛かった時のこと、大切な人との出会いと別れ、日々の生活で感じるちっちゃな幸せのこと。 そして、エコーのことをひと時も忘れたことが無かったと言うこと。 他愛もない話からお決まりの父や母への愚痴まで、それこそ時間を忘れて沢山、沢山エコーに話した。 ひとしきり話を聞き終わると、エコーは首(こうべ)を垂れ頬を僕のお腹にゴシゴシとこすりつけてきた。 それは僕に「おかえり、今まで頑張ってきたんだね。」と言っているようだった。 --------------------------------------------- 以上がお題です。 留意点、募集要項を文字数の関係上別お題にて記載させていただきました。 URLは↓↓↓ https://coemee.com/topics/jBhwOf5h1Y383P1puYLsW でございます。 本お題へのいいね(ハート)はこちらにしていただけるとありがたいです。 みなさまのご投稿、心よりお待ち申しておりますm(__)m

お題

【リレー朗読企画】湖鏡(こきょう) 第一回締切26日23:59

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