登場人物:おれ(後輩くん) 形式:一人語り/朗読用台本 "偶然のいたずら"と"ないしょばなし" ------------------------------------------------------------------ 放課後の帰り道。 先輩と肩を並べて歩くだけで、 胸が少しはしゃいでしまう。 けど、その鼓動を悟られたくなくて、 わざと歩幅を合わせてみせた。 沈む夕日が、 先輩の横顔をやさしく染める。 ふと、その景色に見とれてしまって 「先輩と一緒だと、時間が早く感じますね」 気づけば、気持ちが口をついて出ていた。 でも、本当は逆なんだ。 一緒の時間が大切すぎて。 一瞬ごとに、記憶に刻みつけたくて。 心の中じゃ、もっとゆっくり 流れてほしいって願っている。 きっと、偶然のいたずら。 たまたま重なった帰り道。 だけど、おれにとっては、 宝物みたいな必然。 「また、明日も一緒に帰れたらいいな」 そう聞こえた先輩の声に、胸の奥が震えた。 返事はできなかったけど おれも同じ想いを抱えてる。 それが、先輩には届かない おれだけの、ないしょばなし。 -------------------------------------------------------------------- ※参考:先輩目線「帰り道」 https://coemee.com/topics/tL1bINlLuCDGyV23nnjxo ---------------------------------------------------------------------
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