赤羽根 比呂赤羽根 比呂2026-05-29 21:13

台本【悲劇的ビフォーアフター】

※とあるライブ内にて『悲劇的ビフォーアフター』というフレーズからお題にしたら面白そうと言う事で、お題を書いてみました。 ・「なんということをしてくれたのでしょう」ではじまる ・お題のどこかに「〇〇の手による余計なお世話が光ります」を入れる という事で、以下本文です。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー ーーーなんということをしてくれたのでしょう…。 かつてここは、ただ静かに暮らしを支えるだけの、慎ましい一軒家でした。 朝はトーストの匂い。 夜は少し古い換気扇の音。 冬には窓際が少し寒い。そんな“普通”が、丁寧に積み重なった住まいです。 しかし、そこへ現れたのが、今回の匠。 依頼内容は至って簡単でした。 『雨漏りを直したい』 ただ、それだけ。 ところが今回の匠は、家主の“本当に必要としていたもの”を勝手に感じ取り、暴走を始めます。 まず、なぜか玄関を回転扉へ変更。 近所の小学生に『デパートみたい』と言われ、家主は二日ほど寝込みました。 さらに、収納不足を解決するため、床下全面を可動式収納に改装。 ボタンひとつで畳が上下する、ロマン溢れる構造です。 なお、猫が一匹行方不明になりました。 そして極めつけは、リビング。 『家族の気配を、もっと近くに感じてほしい』 その理念のもと、今回の匠は壁をほぼ撤去。 結果、トイレと食卓の間に“概念”しか境界が存在しない空間が完成しました。 家主の父は現在、駅のトイレを愛用しています。 また、今回の匠は“自然との共生”も重視。 採光のために天井を大きく開放した結果、季節と天候が室内へダイレクトに侵入。 春は花粉。夏は蝉。 秋は落ち葉。冬は絶望。 住民たちは今、室内でありながら四季を全身で感じています。 それでも今回の匠は微笑みます。 「住まいとは、完成した瞬間から物語が始まるんです」 そう語る背後で、屋根に取り付けられた謎の風車が回転しています。 もちろん電力には一切貢献していません。 こうしてこの家は、快適さを少し失い、 話題性を大きく手に入れました。 家主は今日も来客に説明します。 「いや、これ全部、頼んでないんです」 ーーーー匠の手による余計なお世話が光ります。

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#朗読#ナレーション#悲劇的ビフォーアフター#セリフ#アドリブ自由

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