登場人物:ぼく(先輩) 形式:一人語り/朗読用台本 --------------------------------------- 休日の午後、ぼくと彼は 机の上に広げたパズルに向かっている。 互いの指先が、同じピースを探しあてては 重なりそうになる。 そのたびに 彼は照れくさそうに目をそらす。 なんでもないはずの遊びが ぼくらにとっては逃避行みたいだ。 現実から少しだけ離れて ただ二人きりで、世界を組み替えていく。 完成に近づくほど 終わりが来ることが怖くて…… わざと間違ったピースをはめてみたりする。 彼の笑い声を もう少し長く聴いていたいから。 解けないパズルなんてない、そう信じてる。 けれど、彼と過ごすこの時間だけは 永遠に答えが見つからなければいいのに。 ---------------------------------------
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