題名『聴録師(ききとりし)』 少しでもお気に召して頂けたならば、幸いに存じます。 ※アレンジ・アドリブ大歓迎です。 以下、本文。 .•*¨*•.¸¸◌* 『聴録師(ききとりし)』という者をご存じであろうか。 読んで字の如く、他者の話した内容を、一字一句聴き取り、書き記す者の事である。 従事する者の数は、実に少数。 それは、誰しもが就(つ)ける職では無いからだ。 『聴録師(ききとりし)』の適性を有する者は、百人に一人居るかどうかである。 それは何故か。 その理由は、聴き取りをする相手が、生者(せいじゃ)では無いからだ。 遺品や亡骸(なきがら)に残っている、わずかな御霊(みたま)の声に耳を傾け、その内容を書き記(しる)すのだ。 今どこに居るのか。 その身にどんな言葉を宿していたのか。 どんな言葉を言い残して逝ったのか。 御霊(みたま)に寄り添い、最期の一言まで語り尽くさせ、供養をする者。 それが『聴録師(ききとりし)』である――。 .•*¨*•.¸¸◌* 本文は以上です。ご覧頂き、誠に有難う御座いました。皆様からのご投稿及びご感想を、心よりお待ち申し上げております。
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