蜂乃巣ゆん蜂乃巣ゆん2026-05-17 15:15

ゆうしゃがあらわれた!

「ゆうしゃさん!ぼくも将来、あなたみたいになれますか?」 『坊主、俺みたいなのは勇者って呼ばないんだよ』 「えー? おかあさんは勇者さまだって言ってたよ!」 『俺は……そうだな。【強盗】みたいなもんだ』 「そんなことないよ! だって悪い魔王をやっつけてくれたんでしょ!」 『あぁ。王様に頼まれて、たしかに俺は魔王を倒した』 「ほらー!」 勇者は、小さく笑った。 けれど、その目は少しだけ遠くを見る。 『……でもな。実際は、少し違った』 「ちがう?」 『俺たちは、自分たちの正義を掲げて、 あちら側へ踏み込んだ。 向こうから見れば、俺たちは“侵略者”だったのかもしれない』 「そんなわけないじゃん!」 『じゃあ、想像してみろ』 勇者はしゃがみ、坊主と目線を合わせる。 『お前が家で飯を食ってる。 母ちゃんがいて、友達がいて、 明日も同じように生きると思ってる。 そこへ突然、武器を持った連中が来るんだ』 「……。」 『理由が何であれ、怖いだろ? “勇者が来たぞ、逃げろ” ――そんな世界も、あったのかもしれない』 坊主は黙り込んだ。 『だからな、坊主』 勇者は少しだけ困ったように笑う。 『正義ってのは、立つ場所で形を変える。 だから考えろ。 考えて、考えて、 それでも出した答えなら信じろ。 ただ“正しい”って言葉を、 盲目に振りかざすようにはなるな』

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#朗読#朗読#ゆんの台本#声劇

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