城生 悠正城生 悠正2026-08-29 10:44

声劇台本『よすが~叙~弐』

声劇台本『よすが~叙~壱』 (https://coemee.com/topics/d4QPT3YqsgcKhRE5SYZIe) の続き ----------------------------------------- 浩太郎:で、天狐さんよぉ。 浩太郎:絵美は何で目を覚まさねぇんだ? 天狐:ふむ。恐らくは…。 0:(天狐、絵美に手をかざし状態を見る。) 天狐:…やはり、*妖力《ようりょく》が*空《から》っぽのようじゃな。 天狐:ただでさえ結界を張り続けておる所に、精神的な*負荷《ふか》が更にかかるとどうなると思う? 武平太:くっ…。 愛:…っ。 浩太郎:俺らの…せいだな。 天狐:どうも*悠長《ゆうちょう》に話しておる場合でもなくなったようじゃ。 武平太:え…。まさかッ! 天狐:あぁ、*不届《ふとど》き者が戻って来るようじゃ。 愛:天狐さん、どうしたらいい? 天狐:*本殿《ほんでん》に備えてある*神酒《みき》を持ってきて飲ませるのじゃ。 浩太郎:*神酒《みき》って、俺らまだみせいね… 天狐:そちら(二人称複数形。以下全てその意)の*道理《どうり》の話など今はよい!*早《はよ》う行け! 浩太郎:あーったよ! 0:(浩太郎本殿に走る) 天狐:あとは、*我《われ》を一時的に受け入れる*器《うつわ》ぞ。 武平太:*器《うつわ》とは…。 天狐:*実体《じったい》。 天狐:ようは*人体《じんたい》のことよ。 天狐:*霊体《れいたい》ではどうも出力が足りんのでな…。 武平太:…ッ! 武平太:生身の体でその出力に耐えられるんですか? 天狐:やってみんと分からぬが、身体への負担は相当であろう。 愛:言ってる場合じゃないッ! 愛:天狐さん!私を、私の身体を使って! 愛:私、絵美に何も出来てないっ! 武平太:…。 0:(スッと愛の前に立つ武平太) 愛:武平太? 武平太:愛、違うよ。それぞれの気持を知りながら俺は…。それらを*弄《もてあそ》んだ。 武平太:それに、ここで前に出なきゃコータに*顔向《かおむ》け出来ねぇ! 武平太:んーだろ?コータ? 天狐:うむ、よい顔じゃ。はて、そちはもしや? 天狐:(微笑)あの時の*童《わっぱ》の。 愛:…あの時? 天狐:ハッハッハッ、よいよい! 天狐:まぁ、これも*総《そう》じて「よすが」よのぅ。 天狐:「*武《ぶ》」を*継《つ》ぐ者としての覚悟も立派ぞ! 武平太:天狐、頼む! 天狐:では、参るぞ。 0:(天狐、武平太に乗り移る) 武平太:(苦しむ)ぐっ、かはぁっ!うぐぅっ…ぐぅ…。 愛:武平太ッ、大丈夫!? 武平太:(苦しみながら) 武平太:このくらい、絵美が抱えてた苦しみに比べたら、 武平太:…なんて、ことっ! 愛:天狐さん!あいつが、来たよ! 天狐:(息を吐く)ふしゅぅうっ。 天狐:…久しぶりの感覚よのぅ。 0:(浩太郎走って戻ってくる) 浩太郎:わりぃ、*手間取《てまど》っちまった! 愛:コータ!早く絵美にっ! 浩太郎:わーってる、*急《せ》かすなっての! 0:(*神酒《みき》を絵美の口に流し込む) 天狐:*不届《ふとど》き者よ、*我《わ》が地に踏み入って許されると思うとるのか? 0:(*異形《いぎょう》の*悪《あ》しき者、天狐を*威嚇《いかく》する) 天狐:時の流れの中で、言葉すら失ったか。 天狐:…*醜《みにく》いのぅ。 絵美:(目を覚ます)…んっ。 愛:絵美! 絵美:うーん…。 絵美:え…あい?あれ…ここは? 浩太郎:絵美の守ってくれてた地だ。 絵美:え、へいたく…おじいちゃん?と、*不届《ふとど》き者っ! 天狐:おぉ、絵美や、目覚めたか? 天狐:結界を張る準備をしておくのじゃ。 絵美:うん、分かった!でもおじいちゃん、全力はダメ! 絵美:へいたくんが壊れちゃうから! 天狐:*善処《ぜんしょ》するが保証はできぬぞ? 愛:天狐さん、来るよ! 0:(*異形《いぎょう》の*悪《あ》しき者、叫び声と同時に襲い掛かってくる) 天狐:遅いわ!散れ! 0:(SE*妖術《ようじゅつ》的な音) 浩太郎:いっ、一撃で…。 愛:*跡形《あとかた》もなく…。 天狐:絵美や、結界を。 絵美:はいっ、おじいちゃん! 絵美:(結界を張る声)…はっ! 0:(絵美の張った結界により、景色が戻っていく。) 愛:あ、*狛《こま》さんが。 浩太郎:…戻ってきたんだな。 天狐:ほれ、*実体《じったい》を返すぞぃ。 0:(天狐、武平太から離れる) 武平太:ぐ…うっ…。 0:(SE武平太倒れる) 絵美:へいたくんっ! : 0:よすが~叙~ 0:―完―

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