せっかく遊園地に来たのに、 昼過ぎには解散。 ……なんて、もちろん建前。 本当は。 あいつと、あの子を 少しくっつけたかっただけ。 だって。 絶対お似合いなのに、 あいつが、びっくりするくらい鈍感だから。 「ちょっと具合悪いかも」 そう言った子も、 空気を読んでくれた。 案の定。 「さすがに女の子一人置いて帰れないし」 予定のないあいつが残る。 優しいんだよ。 でも。 そういうとこなんだよなぁ。 グループ通話では、 すぐ実況が始まった。 『今、二人で戻った!』 『え、待って、服掴んでるって』 『それもうデートじゃん』 『観覧車行け観覧車』 でもきっと、あいつは。 「歩きづらいなぁ」 とか。 「ショーパレード見れてよかった」 とか。 そんなことしか考えてない。 夜。 帰ってきたあの子が、 少しだけ笑って言った。 「……楽しかった」 でも。 そのあと、少しだけ寂しそうに。 「……気づいて、ないんだろうなぁ」 私たちは顔を見合わせて、ため息をつく。 うん。 知ってる。 だって、あいつは―― 気づかない。
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