黒須木ヤト黒須木ヤト2026-02-03 22:27

【朗読】微熱

《台本の概要》 恋心は時に胸を熱くする。そんな台本です。 《ルール》 好きに読んでください。 一人称や言い回しの変更もOKです。 《お知らせ》 黒須木ヤトのXでは他にも多数の無料作品を公開・発信しています。 宜しければお気軽にフォローのほど宜しくお願いします。 ***《ここから台本》*** 駅のホーム、吐く息は白く。 終電を待つ私たちの間に かける言葉は、もう残っていなかった。 私はポケットの中で すっかりぬるくなった使い捨てカイロを握りしめる。 「これ、使いなよ」 君の手にそれを押し付けた瞬間、指先が触れた。 それは思っていたよりも、ずっと冷たくて 私の体温を、少しでも分けてあげたかった。 「ありがとう」 君はそれを両手で包み 消えかけのぬくもりを、大切そうに抱えて笑った。 それが私たちの、最後の会話。 電車が来て、君は夜の中へ消えていく。 私は、君が見えなくなるまで手を振った。 やがて行き先を失った手はポケットに帰るけれど そこにはもう、何もない。 ……でも。 君の手に触れた瞬間の、あの「わずかな熱」が 今も私の指先を優しく痺れさせている。 fin ***《ここまで台本》***

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#朗読#匿名Yの日常シリーズ

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