﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌ あの王様の話が ずっと頭から離れない。 誰もが見えない服を 「素敵だ」と褒めた。 本当は見えていないのに 見えるふりをした。 正直になれなかったのは 怖かったからだ。 笑われるのが 外されるのが。 気づけば ぼくも同じだった。 周りに合わせて 嘘をまとう。 怖かったから。 けれど あの行列の中にいた少年だけが 王様は服を着ていないと まっすぐに言った。 その声は 空気を切り裂くようだった。 みんなが隠していた真実を たった一人で明るみに出した。 大人たちは嘘で身を守り 少年は正直さで世界を照らした。 嘘をつけば楽だけれど 心がすこし重くなる。 正直になれば怖いけれど 少しだけ息がしやすくなる。 裸の王様よりも恥ずかしいのは 自分の心まで隠してしまうことかもしれない。 ぼくはもう 見えない服を褒めるのをやめようと思う。 たとえ誰かに笑われても 正直でいるほうが 少しだけまぶしい気がする。 震える声でも 本当のことを言える自分でいたい。 ﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌ ※参考:「裸の王様」 皇帝の新しい衣装は完成した。 皇帝はパレードで新しい衣装を お披露目することにし 見えてもいない衣装を身にまとい 大通りを行進する。 集まった国民も 「ばか者」と思われるのをはばかり 歓呼して衣装を誉めそやす。 その中で沿道にいた一人の小さな子供が 「なんにも着てないよ!」と叫び 群衆はざわめいた。 「なんにも着ていらっしゃらないのか?」と ざわめきは広がり ついに皆が 「なんにも着ていらっしゃらない!」 と叫びだすなか 皇帝のパレードは続くのだった。 ﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌
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