﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌ 登場人物 神山 琴(かみやま こと):女性 神谷 誠(かみや まこと):男性 ﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌ (夕方。キッチン。) 琴:ねえ、誠。 その醤油、また間違えてない? 誠:間違えてないよ、琴。これは“濃口”。ちゃんと見てる。 琴:そう言って、この前はソース入れたでしょ。 誠:やめてくれよ。“誠”って書いて、"うっかり"って読むみたいじゃん。 琴:ふふ。じゃあ私は?“琴”って書いて、うるさいって読む? 誠:それは…否定できないかも。 琴:ちょっとー。 誠:でもさ、音は綺麗だよね。"こと"って。 琴:急に何。 誠:ほら、こと、まこと。似てるじゃん。 琴:またそれ? 誠:だって不思議じゃない?君は“こと”で、俺は“まこと”。 琴:私は“山”があって、あなたは“谷”。 誠:高低差すごいな。 琴:でも、山がないと谷もできないでしょ。 誠:うまい"こと"言うね。 琴:“琴”だけに? 誠:はいはい。ねえ、琴。たまに思うんだ。 琴:なに? 誠:名前だけ聞いたらさ、俺たち、同じ人みたいだなって。 琴:それ、よく言われる。 誠:「"かみやまこと"さん」って言われると、どっちだよ、ってなる。 琴:私は慣れた。あなたが返事しなかったら、私だなって。 誠:ひどいなぁ。 琴:でもさ、ちょうどいい気がする。 誠:どうして? 琴:完全に違ったら、きっと、こんなふうに並ばない。 誠:名前に引っ張られてる人生? 琴:そう。音が似てるから、歩幅も少し揃う。 誠:じゃあさ。 琴:なに。 誠:今日の味付け、信じてみてよ。 琴:誠を? 誠:うん。神谷“誠”を。 琴:じゃあ、神山“琴”も、文句言わない。 誠:どう? 琴:悔しいけど。 誠:けど? 琴:ちゃんと、まこと。 誠:良かった。 ﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌
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