登場人物:ぼく(先輩) 形式:一人語り/朗読用台本 "偶然のいたずら"と"ないしょばなし" ------------------------------------ 放課後の帰り道。 君と二人で並んで待つ、バス停のベンチ。 沈む夕日の残り火みたいに、胸の奥がじんと熱い。 「先輩と一緒だと、時間が早く感じますね」 君はそんなふうに笑うけれど…… ぼくには、それが苦しい。 だって、もっとゆっくり ずっとこのままでいたいのに。 きっと、偶然のいたずら。 たまたま重なった帰り道。 「また、明日も一緒に帰れたらいいな」 心の声が、うっかり唇をすり抜けてしまった。 ほんの少しだけ甘く滲んだ ぼくだけの、ないしょばなし。 ------------------------------------
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