============================================== ♠吉弘弥七郎(よしひろやしちろう) ♥斎藤鎮実(さいとうしげざね) ============================================== 以下台本↓ ♥「おぉ、弥七郎ではないか。 その姿…お主、戦に出ておったのか?」 ♠「えぇ、この頃忙しく なかなか顔を出せませんでした。 戦で婚儀が遅れてしまい、申し訳ありません。 必ずや妹御(いもうとご)を妻に迎えますので 今しばらくお待ちくだされ。」 ♥「…その事なのだが、婚約の破棄をお願いしたい…。」 ♠「えっ…何故(なにゆえ)!?」 ♥「実は、お主が留守の間に 妹は疱瘡(ほうそう)の病(やまい)に 冒されてしまったのだ。 幸い、一命は取り留めたのだが 容貌(ようぼう)が変わってしまってな。 あれではとても嫁には出せん…。」 ♠「これは思いもよらぬお言葉を聞くものです。 拙者が妹御(いもうとご)を 妻にと所望(しょもう)したのは その心根(こころね)の優しさに惹かれたからであって 容姿が美しいからではありません。 容貌(ようぼう)が変わったからと言って 心根(こころね)まで変わるものでしょうか。 拙者、色好みの浮ついた気持ちで 妻にと望んでいるのではありません。 どうして武士の約束を違(たが)える事ができましょう。」 ♥「弥七郎、お主という奴は…! その言葉、妹が聞けば泣いて喜ぶに違いない! ありがとう…ありがとう!うぅ…(感激して涙を流す)」 ♠「妹御には後で見舞いに行くとお伝えくだされ。 ではまた。」 …………………………………………………………………… 【あらすじ】 吉弘弥七郎(後の高橋紹運)は、斎藤鎮実の妹(実名不明だが後の宋雲院)と婚約していたが、戦で忙しく、なかなか祝言を挙げられずにいた。 弥七郎が戦に出ている間に宋雲院は疱瘡(天然痘)にかかってしまい顔に痕が残ってしまう。 鎮実は変わり果てた妹の容貌に愕然とし、弥七郎との婚約破棄を決意する。 弥七郎と再会した鎮実は、妹との婚約破棄を伝えるが、弥七郎は「見た目ではなく心に惚れたから問題ありません」と婚約破棄の申し出を断った。 弥七郎の誠実さに感激した斎藤鎮実は、涙を流して感謝するのだった。
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