黒須木ヤト黒須木ヤト2026-02-18 22:45

【朗読】暇(いとま)の先へ

《台本の概要》 『暇』には『ひま』『いとま』という異なる意味がある。 退屈であることは同時に、何でも好きなことから始められる、ということでもあるんです。 《ルール》 思い思いの解釈で、自由にお楽しみください。 一人称や言い回しの変更もOKです。 《お知らせ》 黒須木ヤトのXでは他にも多数の無料作品を公開・発信しています。 宜しければお気軽にフォローのほど宜しくお願いします。 ***《ここから台本》*** 午後の西日が差し込む部屋では 埃が光の粒のように舞っていた 私は、座り慣れた椅子に腰を下ろすと そのまま深く溶けていくような あるいは空気に馴染んでいくような 心地よい喪失感に包まれていった 次第に輪郭も、その意味を無くしていく 気が付けば、私と世界の境界は 静かに曖昧になっていった あの日の背中を見送る度に 私の中で何かがほどけていく 「結び目」だと思っていたものは 本当は「絡まり」だったのだと知った では ほどけるということは、失うことだろうか それとも、新しい余白が生まれることだろうか 「暇」であることは、決して「退屈」ではない それはただ、自由を持て余しているだけなのだ 何を選んでもいい 何から始めてもいい あるいはそれまでとの丁寧な決別でもいい 別れでありながら それは次の出逢いを招く、確かな兆しでもある 暇(いとま)の先には、空白がある けれどその空白は、決して終わりの色をしていない まだ何も書かれていないというだけで そこには、どんな眩しい朝も書き込めるのだから ***《ここまで台本》***

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#朗読#擬詩化シリーズ

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