【登場人物】 アストライア(乙女座の守護戦士) 冷徹に見えるが、その実、地上に実りと秩序を愛する慈愛の心を持つ。 手に持つ大鎌は「刈り取り」と「選別」の象徴。 【設定】 戦火によって踏み荒らされた麦畑。 侵略者が略奪を終えようとしたその時、 月明かりと共に彼女が舞い降りる。 以下台本↓ (冷たく、静かな足音と共に) ……汚れた足で踏みにじったわね。 この、黄金に輝くはずだった大地を。 (一呼吸置いて、大鎌を構える重い音) 驚く必要はないわ。 私は乙女座の守護戦士。 人の欲によって失われた「理(ことわり)」を、 再び天秤にかけるために遣わされた者。 (少し悲しげに、空を見上げて) 見てごらんなさい、あの星を。 乙女座の心臓に宿る「スピカ」 ……その輝きは、本来、豊穣と平和を祝うための光。 決して、戦場を照らすための灯火(ともしび)ではない。 (厳格な口調に変わる) 奪い、壊し、踏みにじる……。 あなたの魂の重さを今、私の天秤にかけましょう。 ……ふん、語るまでもないわね。 針は微塵(みじん)も動かない。 あなたの命には、麦一粒ほどの価値も残っていない。 (大鎌から紫の魔力が漏れ出す音) 刈り取りの時間は終わったわ。 これより始まるのは……「選別」よ。 その身に受けなさい。 大地を汚した罪を、魂ごと削ぎ落としてあげる! (鋭い一閃の風の音。静寂が戻る) ……おやすみなさい。 次の春には、あなたの罪がせめて、 この地の肥やしになることを願うわ。 (優しく、一粒の麦を拾い上げる) ……さあ、また種を蒔きましょう。 いつか、この地が本当の黄金色に染まる日まで。
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