子供の頃、 秘密基地が大好きだった。 草むらの奥に隠した段ボールの小屋も、 雨の日だけ集まった高架下も、 宝物を埋めた木の根元も、 いつの間にか過去の思い出になった。 今の僕の秘密基地。 帰り道にある静かな古書店。 手作りプリンが自慢の小さなカフェ。 好きが溢れる自分の部屋。 誰にも見せない夢を、 まだ少しだけ信じられる瞬間。 そこへ行くたび、 大人の鎧は少しだけ軽くなる。 秘密基地とは、隠れる場所ではない。 何歳になっても、自分の「好き」を 誰にも奪われずに守れる場所。 きっと少年は、 今もその入口で笑っている。 「遅かったね」と。 だから僕は今日も、 誰にも見えない扉を開ける。 少年の心は、 忘れなかった人の中でだけ 静かに生き続けている。 🐦🐦🐦🐦🐦🐦🐦🐦🐦🐦🐦🐦🐦🐦🐦🐦🐦🐦
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