⋆┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈⋆ 私はいつも後回し。 今日もあなたはあの娘に夢中だ。 あの娘にしか見せない笑顔。見たくなんてないのに無理やり視界に入ってくる。さすがの私も穏やかな気持ちでなんていられない。 こうして、 いつもの様に届かぬ想いは熱を失い始めていく。 『お風呂が沸きました。』 静かな部屋に響く機械音声。 それでも、あなたはあの娘に夢中だ。 (ねぇ、本当は聴こえてるんでしょ?いつまで気付かないフリをしているの...?ぐすっ...もう知らないっ!) いつもそうだ。 私の想いが冷めるころ、 あなたは涼しい顔でやってくる。 「待たせて、ごめんね。」 小さく呟くと、あなたはそっと私に触れた。 (そんなのズルいよ...。) その言葉と仕草に、 私の想いは何度でも熱を取り戻してしまうのだ。 『追い炊きをします』 静寂を切り裂くように、私の声がこだました。 ⋆┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈⋆ ※男女不問。 アドリブ・アレンジOKです。 「あの娘(スマホ)」に嫉妬する「給湯器リモコンちゃん」目線でのお話です。「給湯器リモコンくん」に変更して頂いても結構です。
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