「あついねぇ……。」 「ふふっ、手、ちょっと汗ばんじゃったね。」 「でも……今日は離したくないから、このままでいい?」 「人が多いとはぐれちゃうし……なんて。」 「……半分は言い訳だけど。」 「こうして手をつないで歩いてると、お祭りの賑やかな音も、なんだか遠くに聞こえるね。」 「ねぇ、大丈夫?」 「喉、渇いてない?」 「さっきから私ばっかり屋台見て引っ張り回しちゃってるもんね。」 「あっ!」 「あそこ見て!」 「サイダー売ってるよ!」 「瓶のサイダーだぁ……!」 「いいなぁ、飲も?」 「こういう日に飲むサイダーって、なんでこんなに特別なんだろ。」 「はい、どうぞ。」 「ふふっ……その一口目、ずるい。」 「そんなに美味しそうに飲まれたら、私も飲みたくなっちゃうじゃん。」 「……ねぇ。」 「一口もらってもいい?」 「ありがとう。」 「んっ……冷たぁい。」 「……あはは。」 「これ、サイダーが美味しいのかな。」 「それとも、一緒に飲んでるから美味しいのかな。」 「……たぶん、後者。」 「今日ね、お祭りも花火ももちろん楽しみだったんだけど。」 「一番楽しみだったのは……君とこうして、並んで歩けること。」 「屋台で笑って。」 「他愛ない話をして。」 「たまに目が合って。」 「そんな何気ない時間が、私はすごく好き。」 「……ねぇ。」 「花火が始まるまで、もう少しだけ。」 「ぎゅって、手をつないでて?」 「今日は恋人らしく、いっぱい甘えさせてね。」
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