おや、こんな山の中に子ども一人とは… どうした?迷ったか?大人は? ふむ…一人か。 …そうか。山菜取ってたら迷ったか…。 せっかくだ、もう少し行ったところにもあるから案内しよう。 安心しな、帰りは分かりやすい所まで送っていこう だが、ここはいわくつきの場所。 次からは一人で来るなよ? ……どんないわくがあるのって? 最近の子どもは知らないのか… せっかくだ、休憩がてら少し話しをしてやろう。 かなり昔の事…確か、もう五百年程前か。 この辺りに一人、鬼がいた。 ただただ強く、大きく、全ての生物が畏怖する怪物。 自由に生き、暴れ、壊し、奪い、喰う。 「この世全ての業」とはまさに奴のことを言うのだろう。 無力だが、人々はどうにかして退治しようと戦いを挑む者も沢山居たし、 天災のようなものだと、神の使いと崇める者もいた…。 だがただの獣と違い、人の面白い所はここから始まる。 届かぬ力の差を埋める為に、永い時を経て試行錯誤し力をつけたのだ…。 人知を超えた災害を、自らの手で止めようとな…。 木の棒は鉄の刃に代わり、弓矢は鉄砲に代わり… たった一つを為そうと、永劫とも想える時を世代を繋ぎながら力を付けていった。 そして、ついにそれが為された地、それがここだ。 な?十分にいわくのある場所だろう? …だがな、鬼という大敵が居ない今、人々は自らを疑い、奪い合い、殺しあっている… こうなるともはやどちらが鬼か分らんな。 良いか坊主、鬼は忘れ去られてはいるが、消えた訳ではない… 決して存在は絶えることなく、今尚、名を変えて生きている。 良いか?周りを騙すことなく真面目に、そして勤勉に生きよ。 そういうやつには神様の加護がきっとあるだろう…。 さて、そろそろ行こうか ………この永い夜はいつまで続くのだろうな…。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー サムネがなかなか良いのができず、おい、もう角見えとるで!?ってなってますが、台本の中身は偶然居合わせた人かもしれない。 一致団結しているときはようやく自分と張り合える敵が出てきてわくわくして興味持ってたけど、あまりの堕落にもはや哀れみすら感じている…みたいなね。
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