﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌ 子供の頃 なんのためらいもなく口ずさんでいた。 ♪指切りげんまん 嘘ついたら針千本飲〜ます! 指切った! 小さな指を重ね "約束だよ" "絶対だよ"と 笑いながら誓った。 あの言葉が こんなにも重いものだなんて 知らなかった。 もしこの唄が本当に絶対なら 嘘つきのぼくは 千本どころじゃ足りないほどの針を 飲み込んでいる。 心の奥に刺さる一本一本が 嘘の数だけ疼く。 ぼくを守るためだけの嘘。 ぼくの本当を隠す嘘。 それらの全てが針となり ぼくの心に刺さり続ける。 それでも 軽い気持ちで交わした約束が 嘘ばかりではなかったと 言い聞かせながら 自分に都合のいい 言い訳を探して ぼくはまたひとつ嘘を重ねる。 大人になりきれないぼくの心が 幼い頃のぼくの小指の先が 少し痛んだ気がした。 ﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌ ※参考: 「指切りげんまん嘘ついたら針千本飲ます」 約束を破った場合に げんこつで1万回殴られ 針を1000本飲まされるという 強い約束の証の言葉。 元々は江戸時代の遊女の 客に対しての愛情の証。 全体の意味合いとして 約束を破ることは 非常に重いことであり そのためには恐ろしい罰も 甘んじて受ける覚悟がある という強い意志を表している。 子供の遊び歌として広く知られているが その背景には江戸時代の遊郭から広まった 約束を破る者への強い戒めや制裁の意味が 込められた風習が存在していた。 ﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌
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