目潰し目潰し2026-02-03 01:10

「幸せな男」

「幸せな男」 「貴方にとって不幸だった事はなんですか」 そんな事を大勢の通行人にインタビューをし、最終的に最近巷(ちまた)での幸福度の低下に対する統計(とうけい)を測ろうという物だった Q・貴方にとって不幸だった事は? A・「不幸?そんな事、この不条理な世の中さ、どれだけ社会人が働こうと社会は良くなる気配は一向に無い 世界じゃ戦争や分断、上がる税率、止まらない貧困と富裕の格差……これだけの事を、不幸と言わずなんと言う?」 回答者 20代 社会人のA氏、苛立ちまじりに筆者の前から去る A・「不幸ですか……そうですね、最近はすっかり自然が消えたなと思いますよ 私が子供の頃は常に辺りが自然に溢れ、毎日がそれは……全てが満ち輝いて見えていた、昔はホントに良かった でも今は……開発が進みビルや建物が立ち並びすっかり自然が減った、自然の素晴らしさを知らない若者が増えるのが……不幸だと思うね」 回答者 60代 老人 B氏、筆者にまた今度「良い風景の見える丘を教える」と提案してくれる、楽しみである A・「押し付け、ウザったいったら無いね、学校や家でも……年寄り連中が馬鹿の一つ覚えみたいに口揃えて言うんだ 【昔は良かった】ってね……馬鹿な話だろ?昔って今より明らかに不便で、自由も効かない、なのに……昔は良かった、ああ今の若者は可哀想に、昔の良さを知らないって哀れみの目を向けてくる ショージキ、ばっかじゃねぇの?って話だよね、昔なんてクソみたいな文化、どーでもいい、今の方がずっと素晴らしのに、何故かそれを昔の良さを知らない可哀想な若者達って……昔の良さってヤツを押し付けようとしてくるんだ そんな哀れな連中見てると、不幸な奴らだよなって思うね、時代に取り残されていつまでも過去に囚われてる」 回答者 10代 学生のD氏、筆者に「アンタ、服装古臭いね」と吐き捨てる、最近の若者は攻撃的でならない A「……不幸……?不幸……ですか、そうですね……そう……ですね……」 筆者の質問に、その人物は先程までの笑顔が段々引きつり、突然自身の顔に手を覆う A「……ごめんなさい……少々……っ……すみません……こんな……つもりじゃ」 男性はその場に崩れ、肩を揺らし、嗚咽(おえつ)混じりな慟哭(どうこく)を上げる 筆者はただ、黙ってその様子を見守る A「……すまない……すまない……私は……あまりにも沢山の……人を……仲間も」 その男性は、首に着けたペンダントを握りしめながら、仕切りにそう口にする そのペンダントはロケット式のもので、写真があった、誰かの姿が写っていたが、人相までは確認出来なかった A「……神様……私は……許されるのでしょうか……?」 男性はようやく落ち着いたのか、天を見上げるようにし、そう呟き、目から小さな一粒の涙を流し そして、筆者に向き直り A「……不幸なことなんて……無かった……! 私は……今の今まで……とても……とても幸せな……幸せな人生でした……!」 回答者 30代 元軍人のE氏、彼は筆者に「では、良い幸せな日を」と告げて、歩き去る ーーーー 1人でも読め、複数人でも利用可能です 登場人物の性別変更など自由です……暇つぶしに利用頂けたら

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#声劇

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