黒須木ヤト黒須木ヤト2026-03-23 07:51

【朗読】幻の色

《作者より》 ピアノの鍵盤は白と黒の二色ですよね。 でもメロディ(音色)は、果たして何色でしょうか…? 《ルール》 思い思いの解釈で、自由にお楽しみください。 一人称や言い回しの変更もOKです。 《お知らせ》 黒須木ヤトのXでは他にも多数の無料作品を公開・発信しています。 宜しければお気軽にフォローのほど宜しくお願いします。 ***《ここから台本》*** 気が付くと私は、ピアノの前に立っていた 蓋を開けると、整然と並ぶ白と黒 それ以外を許さない光景は、まるでこの世界の写し鏡だ 正解と不正解、光と影 持てる者と、持たざる者と そっか なら、私は「黒」の方かな 指先で、そっと白に触れる ド、レ、ミ、ファ、ソ、ラ、シ 迷いのない七つの音は、正しい場所に落ちていく ああ、これは虹だ なるほど七つの音色とはよく言ったものだ、と 私は感心してしまった あまりに正しく、あまりに眩しい 完成された旋律の中に 私の居場所なんてどこにあろうか ふと、指が止まる 黒い鍵盤たちが、不意に浮いて見えたからだ まるで「ここにいるよ」と主張するみたいに お前は一体、何の為にあるんだい 試しに、その黒い背中をそっと押してみた 刹那、私は震えた 白よりも鋭く、白よりも切ない 境界線をほどく、割り切れない響き 気付けば呼吸を忘れていた お前は 間違いじゃなかったんだね 私は 間違っていなかったんだね 黒は、虹を完成させるための、影の立役者 それなら世界は、私という黒を混ぜて 初めて「音色」になるんじゃないだろうか 虹は七色だと、誰かが言い出した けれど本当は、その間にある名もない色が 一番多いんじゃないかと思う 私はきっと、その名もない色の側だ 真っ白にはなれなくて 真っ黒なままでもいれなくて でも、私がいることで、ようやく世界は晴れるんだね ピアノの前で、私はそっと息をする 幻の中に ようやく自分を見つけた気がした ***《ここまで台本》***

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#朗読#擬詩化シリーズ

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