世界とは舞台である その劇場は主演の一生を演じる場所。 一人の主演が舞台に上がり、一つの演目を演じて舞台から去っていく。 毎夜違う演目を繰り返し、違う主演が舞台に上がる。 観覧席に座る観客が舞台に上がり主演となって演じることも。 これはそんな不思議な劇場を管理する支配人が演目の幕間に仮面をつけた舞台俳優について語るセリフ。 男女兼用セリフです。 世界観を壊さない程度のアレンジ、アドリブOK 以下から本文です。 ✂︎-----------------------ₖᵢᵣᵢₜₒᵣᵢₛₑₙ-----------------------✂︎ ご機嫌よう。ただいまの時間は幕間(まくあい) 次の演目までしばしお待ちを。 …何か気にかかることがおありですか? 私に答えられることならば、お応えいたしましょう。 仮面をつけた舞台俳優? ああ、actorのことですね。 彼ら、もしくは彼女らは、アンサンブルキャストとして舞台に上がる存在です。 セリフこそありませんが、歌やダンスで舞台を華やかに仕立てる、ホールになくてはならない存在です。 なぜ仮面をつけているのか…? 主な理由は主演を引き立てるためですね。 アンサンブルはプリンシパルより目立ってはいけませんから。 素顔ですか? さぁ…私も彼らの素顔を知りません。 彼らは滅多なことでは仮面を外しませんし、そもそも顔がありませんから。 言葉通りですよ。actorには顔がない。 いえ、見えないと言った方が正しいでしょうか。 主演を引き立てる彼らは、なぜか顔が見えません。 口は辛うじて見えるようですが、顔全体を見ることはできないんです。 しかし、彼らが仮面を脱ぎ捨て主演となると、その顔を認識することができる。 不思議なもので、その原理が未だわかっていないのですよ。 彼らはどこからきて、どこで主演になり、舞台から去っていくのか…。 それは誰にもわかりません。この私でさえ。 おや、開演ブザーがなりましたね。 どうぞお好きな場所へお進みください。 幕が上がる。新たな主演、新たな舞台の始まりです。
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