モノ←亜人の少年 エル←上品な女性 ノエ←郵便配達員 女の子 ーーーーーー モノ「貿易が栄えてるってあって……凄く賑やかな国だね」 エル「ほんと、まるでお祭りみたいですね」 モノ「色々な国から輸入された品々をああやってそのまま露店で販売してるんだね 見た事ない物が沢山ある」 エル「せっかくですから、我々も何か買ってみますか? ひょっとすると、旅に役立つまだ見ぬ道具か何かに出会えるかもしれませんし」 モノ「確かに、これだけ無数に店があれば何か有るかも 見て回ってみようか」 エル「ええ、行きましょう」 散策をする二人 エル「なかなか良い物が取り揃えられましたね」 モノ「だね、この乾燥させた……小麦と卵を練り合わせた物……熱湯で温めたら食べられるって 1年は保存も効くって言うから、凄いね」 エル「コレも凄いです、特殊な着火剤が着いた木の棒を……このヤスリが着いた部分に擦ると火が点くと言う物……焚き火を起こすのに重宝しそうです」 モノ「流石は交易都市だね、世界中から見た事もないけど、色々な便利な用品が揃ってる」 エル「来てみた甲斐がありましたね」 モノ「うん、色々手に入った、大満足だね」 女の子「……あ、あの!」 モノ「……ん?」 女の子「旅人さん……ですよね……?」 モノ「そうだけど……」 エル「どうかなされたのですか?」 女の子「……お願いです……どうか……この〝手紙〟を……送り届けて貰えませんか……?」 モノ「手紙……?」 エル「……郵便屋さんではダメなのですか?」 女の子「……それが……その」 モノ「……この宛先」 エル「宛先が何か……?」 モノ「……この今の季節に繁殖期で凶暴な魔物が多く群れを成すと言われてる危険地帯を通過しなきゃ、辿り着けない土地だ ……なるほどね、街の郵便屋さんから〝危険だからダメ〟と言われたんだね?」 女の子「……う、うん」 エル「その季節と言うのを超えたら……魔物は居なくなるのでは……?」 モノ「……そうだね……あと数ヶ月はしたら繁殖期は過ぎて、通過は出来るだろうから、その時に」 女の子「……い、今すぐに……送り届けて貰いたんです……!!」 モノ「っ……今すぐ……?」 女の子「……お願い……します……(泣きそうな声)」 エル「……んん……困りましたね……」 モノ「……断る訳にも……いかないし……」 ノエ「……お手紙かい?」 モノ「っ…え?」 女の子「っ……?」 エル「ええ……このお嬢さんが……このお手紙を……」 ノエ「……ちょっと失礼 ……なるほど……この場所……か 君が差出人……だね?」 女の子「は、はい……!」 ノエ「見たところ……この手紙を大至急送り届けて貰いたい……と言うことで、間違え無いね?」 女の子「はい……でも……街の郵便屋さんから……今は危険な時期だから……ダメって…… お兄さんも……郵便屋さん……だよね? だから……無理……なんだよね……」 ノエ「ははは……首を突っ込んで、断ったりはしないよ?」 女の子「……えっ?」 ノエ「……僕が責任をもってこの手紙を預かる、だから安心して……?」 女の子「ほ、ホントに……?」 ノエ「もちろん、嘘なんかじゃない」 エル「……危険な場所も通過するのですよ……?」 ノエ「うん、それも〝承知の上〟……だよ じゃあ、早速行ってくるよ」 モノ『そう言い、大きな郵便バッグを肩に掛けた人物は、僕たちの前から歩き去る』 エル「……どうします……?」 モノ「どうするって……」 エル「あの方……ホントに行く気……みたいですが……大丈夫なのでしょうか?」 モノ「……後を追おう……」 エル「……そうですね…… ……心配ですし……行きましょう」 2人は、ノエの後を追う ノエ「……おや? 2人は……さっきの」 モノ「……先程の手紙……本当に届けに行くのですか?」 ノエ「うん、そのつもりだよ……? ……ひょっとして、心配してわざわざ来てくれたんだ……?」 エル「その通りです……失礼な言い方ですが…… 〝郵便屋さん〟たった一人で……危険地帯を通過する場所に向かわせると言うのが……見過ごす訳には……」 モノ「それに、さっきあの子はこの街の郵便局で……〝危険だから配送は不可能〟って断られたと言ってたのに…… アナタも同じ〝郵便屋〟のハズなのに……どうしてアナタは受け入れたのですか……? ……ひょっとして……この街の郵便屋じゃない……とか?」 ノエ「……ははは……疑われてる……かな? ……安心して、僕は確かにこの街の郵便屋とは違う……国が運営してる〝公共〟の組織じゃない…… ……けどだからって、〝ならず者〟って事でも無い ……〝独立郵便協会〟って……聞いた事ないかな?」 エル「……っ 聞いた事……あります」 モノ「……何それ?」 エル「……どの国にも属さない ……どの様な場所……戦場だろうと、危険地帯だろうと……本来普通の郵便屋なら拒否するような場所にも出向くと言われている…… 特殊な独立した組織……」 ノエ「説明ありがとう…… 僕は……そんな協会の配達員の一人 ……ノエって言うんだ、君達は?」 モノ「……僕はモノ」 エル「エルです…… ……しかし驚きました……独立郵便協会とは……名前はあれど実態の掴めない〝都市伝説〟の類いと聞いてたので……まさか……その一員のお方にお会い出来るとは……」 ノエ「都市伝説なんて……そんな怖いものじゃないよ……ほら、僕なんて、全然怖くないでしょ?」 モノ「……まあ……確かに」 ノエ「 実はね……この国からさっきの女の子みたいに……同じ様に要請が多くあるって聞いて来たんだ 目的地は同じで……凶暴な魔物の繁殖期で〝危険地帯認定〟された場所を通過した先にある……幾つかの場所への郵便が滞っているってね…… だから……僕が来た……と言うこと」 エル「では……先程のお嬢さん以外にも……手紙を預かってると……?」 ノエ「そういう事 ……けどまあ、〝危険地帯〟を通過するに当たっては……一人より、〝用心棒〟が居てくれたら……ありがたいかも……」 モノ「……僕達も一緒に……と言うことですか?」 ノエ「そういう事 ……無理強いはしないよ?けど……僕を心配してわざわざ着いてきてくれた人達だ ……見たところ2人は武器も所持してる旅人……居てくれたら心強い」 モノ「……分かりました ……エル、良いよね?」 エル「勿論、最初にあのお嬢さんに頼られたのは我々でしたし…… それをノエさんが受けて下さったのを丸投げするのは……気が引けます、だから私達も」 ノエ「っ……良かった、心強いよ! 改めて、よろしくね、モノ、それにエル」 続く
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