Kazumi☂Kazumi☂2026-01-04 16:29

朗読台本:『猫』

***************************** 私は箱の前に立ち、耳を澄ます。 そこには答えがあるはずなのに、 触れた瞬間に形を変える気がして、 まだ開けることが出来ない。 確かめない限り、 可能性は静かに重なり合い、 互いを否定することなく、 そこに在り続ける。 私は選択の前に立つたび、 その箱を思い出す。 踏み出した私と、 踏み出さなかった私。 言葉にした私と、 胸にしまった私。 どれが本当かを決めるのは、 出来事そのものではなく、 それを見ようとする 私の意識なのかもしれない。 世界は、 観測されるまで未定で、 理解された瞬間に 静かに収束する。 それでも私は、 すべてを確かめたいわけじゃない。 曖昧なまま抱えている余白にこそ、 思考の自由があると 知ってしまったから。 今日も私は、 まだ開けていない箱を 心の中に置いたまま、 問いと共に歩いている。 ****************************

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#朗読

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