笑え

おっ何をやっているんだい? 珍しくそんな馬鹿みたいに必死な顔して……えっ? はっはっはっ! そんな目でこっちを見るな!! 笑っちまうじゃねぇ〜か!! それとも? その変顔で私を笑い殺すのが目的なのか? ──っとっと、冗談だ冗談! ったく、そんなクソ真面目だと、モテねぇ〜ぞぉ? ヒッヒッヒッ まぁまぁまぁ落ち着け! 私は別に、お前さんを馬鹿にしようとしてる訳じゃない。お前さんがあまりにも鬼気迫る顔しているから、ちょこっとばかり、空気を和らげてあげようとしただけなんだ! ほら見てみろよっお前さんの周りを!! ほらほらほら──何か気づかないかい? ほらぁ〜…… ……いやいやいやいや見ろよ!! 今、私が見ろって言ってんだぁ、ここでお前さんが見てくれなきゃあ、私が道化(どうけ)を演じてるみてぇ〜じゃねぇ〜か!! 私はピエロか? 違うだろ? そうっ私は道化師でもピエロでもない!! 私はお前さんの味方だ。 えっ信じられない?? ヒッヒッヒッ私が? 全く?? 信用出来ない?? だぁ〜っはっはっはっはっ!!!! そいつぁ〜傑作だ!!!! そりゃそ〜だよなぁ!! 私とお前さんは……初対面っ!! 全くの他人だぁ!! 知らないヤツを信じるなんて、それこそ愚か者で馬鹿のやる事だ!! そんな事をしちまったら、それこそお前さんの方が道化を演じる事になっちまう!! はっはっはっ!!! いやぁ〜見込みがある! お前さん、実に見込みがあるよぉ! 私が認めるよ!! だからこそ、もう一度言わせてくれ──周りを見ろ! ゆっくり周囲を見渡すんだ? ほら……何が見える? 嘘をつけ! 何も見えない訳が無いだろう。じっくりと注意を凝らして見るんだ。 ほら……ほら……ほら……見えないかぁ〜、お前さんを心配する仲間の顔が…… お前さんは頑張り過ぎだよ。 頑張り過ぎて、お前さんの周りがお前さんの応援を頑張り過ぎてる。 何の余裕も感じられない、ゆとりの無い凍った空気で、周囲の人間の身体も、カチンコチンに固めちまってる。 なぁ……楽しいかい? 楽しいなら笑えよぉ〜、楽しい事なら、そんなクソみたいな顔でやる様な事じゃない。 お前さんは今、お前さんの力の半分も出せていないじゃないか。初めましての私でも分かる。お前さんはもっと出来る人間だ! そうだろ? 違うのか? それがお前さんの限界か? 違うだろ? だったら笑えよ! 楽しい事なら笑え!! 頑張りたいなら笑え!!! 限界を超えたいなら笑え!!!! 辛く悲しくなったら笑え!!!!! お前さんが私を信じるか信じないか、そんな事はこの際どうでも良い! これからの日本がどうなっていくか以上に、どうだって良いん話だ!! 一つだけ確かな事は──簡単だ。 私はお前さんを応援してるって事だけだ……ヒッヒッヒッ。 だから、私が笑ってやる。お前さんが100パーセントの力を出せるように──私が笑っておいてやる。ヒッヒッヒッ……はぁ〜っはっはっはっは!!! だぁ〜っはっはっはっ!!!!!