ふみ、ふみ。

いつもご利用いただきありがとうございます。 お題13作目です。 ちょっと思うところがあったりして、外に吐き出すという形で書いてみました。 絵本の読み聞かせのような感じになっていたらいいな。 拙作『かくかく、しかじか。』と雰囲気か似てるかもしれませんが、そこはご愛敬(笑) 以下、本文です。 －－－－－－－－－－－－－－－－ あるいた、はしった。 いきをきって、めをまわして。 とまった、ふりかえった。 しらずに、きづかずに。 おとした、ひろった。 わからなくて、あいまいで。 きのうをおもいだして、そっとポケットにしまいこんだ。 あしたをゆめみて、しっかりとカバンにしまいこんだ。 たいせつって、なんだろう？ だいじって、なんだろう？ たからものって、なんだろう？ とくべつって、なんだろう？ よるのまんなか、ふかいくらやみ。 ポカンとうかぶ、まんげつひとつ。 ひとりがこわくて、てをのばす。 のばしただけで、とどかない。 まだまだいろいろたりなくて、 かなしいなみだがにじんでいく。 ざわざわきこえる、かぜ、おと、こえ。 なきごえ？ だれの？ それとも、こころ？ ぼくの？ やがてゆっくりよがあけて。 ひかりのみちがうかんでる。 たりないものをかぞえていたけど。 いま、ここにあるものでいいんだ。 すすむことをこわがっていたけど。 やさしくせなかをおしてくれるんだ。 しゅやくは、だれだ。 そうだ、ぼくだ。 ぼくは、だれだ。 そうだ、はじまりだ。 まっしろなページに、かきこんでゆけ。 まっしろなこれからを、ぬりつぶしてゆけ。 あしがうごく。ゆっくり、だんだんはやく。 あるけ。はしれ。 とまっても、ふりかえってもいい。 おとしても、またひろえるときがくる。 このもじたちが、せなかをおしてくれるんだ。 さぁ、ふみだすんだ。 いっぽを、かんじながら、いきてゆけ。 ふみ、ふみ。 文、踏。 －終－