蜂乃巣ゆん蜂乃巣ゆん2026-07-04 02:34

故郷と、ママチャリ。

ふと地元へ帰り、 ホームへ降り立った、その瞬間だった。 電車の走り去る音。 少し懐かしい風の匂い。 見慣れていたはずの駅舎。 何も変わっていないようで、 少しだけ時間が進んでいる景色に、 思わず足が止まる。 忘れたと思っていた。 あの日、伝えられなかった 淡い恋の思い出も。 思い通りにいかなくて、 悔しくて、泣きたくなった日々も。 そんなことを思い出しながら歩いていると、 ふと視線の先を、 一台のママチャリが勢いよく駆け抜けていった。 何気なく目で追うと、 乗っていたのは、 学生時代にみんなの憧れだった、あの人。 思わず笑ってしまった。 時間は流れたんだな。 でも、その一瞬のおかげで、 昔の記憶は少しだけ、 今の景色とつながった気がした。 まるで、この街そのものが、 「おかえり。」 そう、優しく迎えてくれているみたいだった。 身体は大人になっても、 心だけは少しだけ、 あの頃へ帰ることができる。 だから故郷という場所は、 いつまで経っても、 帰る場所なのかもしれない。

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#朗読#ゆんの台本

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