夏の夜が深くなって、空に最初の星がまたたき始める頃。 遠くから、ドンという音が響いた。 見上げると、暗い空に大きな花が咲いた。赤い花、青い花、金色に輝く花。 「わあ…」 思わず声が漏れる。 子どもの頃から変わらない、この胸の高鳴り。花火を見上げる時だけは、時間が止まったみたい。 パチパチと小さな光が散って、夜空に消えていく。 まるで、夏の思い出を空に描いているみたい。 あの人と見た花火。家族と見た花火。一人で見上げた花火。 それぞれに色があって、それぞれに音がある。 最後の大輪が空いっぱいに広がって、ゆっくりと闇に溶けていく。 余韻に包まれた夜風が、頬を優しく撫でていった。 夏が、また一つ思い出になる。
最初の回答者になってみませんか?