【朗読】プレゼントボックス

⚠️コエミーイベント参加時の注意⚠️ 音声投稿時、アナタ自身もタグに『クリスマス』を入れないと参加資格が付与されないみたいです！ご注意を！ （※クリスマスのお題を読むだけでは紐付けがされない模様） 不安な人は、公式バナーの『こえ一覧』から自分の投稿作品が入っているかを検索してみよう！ 《台本の概要》 クリスマスは毎年訪れる。でも今日という日は一度だけ。な、エモい情景を描いてみました。 《ルール》 好きに読んでください。一人称や言い回しの変更もOKです。 《お知らせ》 クリスマスまでに間に合えば、本気ボイスドラマを2本公開します（YouTube）。 毎年数本作ってますので、ご興味などございましたら黒須木ヤトのXをフォローお願いいたします！ ＊＊＊《ここから台本》＊＊＊ 【プレゼントボックス】 今も、その箱はここにある。
小さくて、軽くて、でも捨てられない。 包装紙の端は少し色褪せて
何度も結び直したリボンは、形を失っている。 なんで渡せなかったんだろう。
忙しかったからじゃない。
嫌いになったからでもない。 理由を探す度、らしい言葉が浮かんでは
雪のように途中で崩れていく。 本当は分かっている。
渡してしまったら、何かが変わる気がした。
今の距離が
今の関係が
終わってしまうような気がして。 それは優しさでもあり、臆病さでもあった。
でもどちらか一つに決めなくてよかったと
今は思っている。 もうこの箱を開けることはない。
中身が陽の目を見ることもない。
あの夜、渡さなかったという事実だけで
この箱は、そこで完成してしまった。 クリスマスは毎年来る。
でも、あの夜は一度きりだった。 サンタに頼んでも
この箱だけは、動かなかった。 fin ＊＊＊《ここまで台本》＊＊＊