(鳥のさえずり) チュン、チュン。 鳥のさえずりが聞こえる。 カーテンを揺らす朝の風が、 まだ少し眠たい頬を撫でていく。 窓の外では、 忙しいはずの世界が なぜだか今日は少しだけ穏やかに見えた。 ケトルのお湯が静かに鳴る。 お気に入りのカップを取り出して、 少しだけ良い紅茶を淹れる。 立ちのぼる湯気。 ふわりと広がる、 落ち着いた香り。 ひと口飲めば、 じんわりと体の中に熱が巡っていく。 あぁ……温かい。 深く息を吐く。 鼻先を抜ける紅茶の香り。 こんな朝が、 毎日続けばいいのに。 急ぐ必要なんてない。 時間に追われず、 ただ静かに朝を味わう。 それもきっと、 大人の余裕というやつだろう。 ……さて。 優雅な朝のお供に、 スマホでも確認するとしよう。 (スマホを見る) 通知12件。 上司: 「生きてる?」 先輩: 「え、今日って休みでしたっけ?」 同僚: 「お願いだから電話出て」 会社: 【不在着信 8件】 (間) ……。 (時計を見る) ーーなんて優雅な朝なのだろう。 遅刻さえ、していなければ。
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