月と花火〜悠久と刹那の空〜

【説明】 月々夜過去作シリーズです。 （一部加筆修正有り） 一人称や語尾の変更は可。 過度な文章内容の改変は不可。 月がすきです、とても。 【台本】 思い出語りをいたしましょう とある夏の夜　花火大会 みなが花火に見惚れる中 私は月に見惚れていました こんばんは、空の隻眼さん 花火をご覧になっておいでで？ そこは特等席ですね でも、花火よりあなたの方が美しいですよ いつもどおり私が月を愛でると 今宵の主役は花火です 花火の方が華やかで美しいと 謙虚な月は雲に隠れてしまいました なので私が花火に目を移すと 月も、再びまんまる眼で 花火を見はじめました 無限の月と 夢幻の花火 悠久と刹那の織りなす美しさに 暑さと人混みの煩わしさも忘れて いつのまにか、魅入っていました やがて、最後の花が咲き終わり 月はひっそりと夜空の主役に戻りました そんな変わらないあなたを見て 私は思ったのです ああ、やっぱりあなたは 誰よりも美しく、そして、愛おしい 【読み】 見惚れる（みとれる） 隻眼（せきがん） まんまる眼（まんまるまなこ） 無限、夢幻（むげん） 煩わしさ（わずらわしさ）