お題詳細

TSUYURITSUYURI2025-10-12 15:51

随想

前書き:随想ときいて、真っ先に思い出されるのが『徒然草』かと思われますが、手前の随想は、決して高尚なものでは御座いません。どうぞ気軽に読んでみて下さい。 題名『随想』 もしも人生が一冊の本ならば、それを書き記すのは当人ではなく、 その人の生から死までを見つめて来た、身の回りの自然であろう。 風にめくられし命の頁。水に記されし命の軌跡。 ある日の今朝から溢れ出した言葉達を、終着地点も見えぬまま、思いつくままに書き連ねてできた本当の随想です。 つまり、本当はセリフになるはずだった言の葉達の成れの果てです(こ●みゅにも載せてましたし、ピ●シブで現在も公開中です)。 少しでもお楽しみいただけたならば幸いに御座います。 ※アレンジ・アドリブ大歓迎です。 以下、本文。 🍃・.。*・::。゚・🍃・.。*・::。゚・  風の帳(とばり)、水の壁。  風の指先、水の視線。  空の彼方、海の果て。  颯々(さつさつ)と吹き渡る風、滔々(とうとう)と流るる大河。  互いにその行方を知らず、悠久の時の中へと去(い)ぬ。  一度別れたなら、再び巡り逢えるかどうかなど知る由(よし)もない。  ただただ目の前の時を翔(か)けて往(ゆ)くだけ、押し流して往(ゆ)くだけ。  留(とど)める事は決して出来ず、人が干渉すれば両者とも汚れる。  風は季節を巡らせ、水は生命を巡らす。  その両者に愛されるのは草木(そうもく)である。  風に愛されて春には芽吹き、夏には万緑(ばんりょく)の葉を茂らせ、秋には葉を赤に黄に色を美しく変えて散り、冬には木枯らしの中で眠る。  そのサイクルを水は土に浸み込み、吸い上げられることでサポートする。  だが、風も水も穏やかな顔の時ばかりではない。  互いにその力を制御無しに振るえば、破壊できないものはない。  もっとも、それもそのはずで、長い年月をかけてこの星の風景を変え続けて来た、と言うならば、この星最古にして最高の芸術家であろう。  岩を木を山を、今の一瞬ずつにも変えているのだから。  似たような時があったと思っても、確実に同じ時に巡り合う事はない。  過ぎ行く時は螺旋階段(らせんかいだん)。  ただ、それを上っているのか下っているのかという、人それぞれの感覚の違いがあるだけ。  それに沿うように、人の周りに風と水は寄り添う。  【二人称】は今、螺旋階段を昇っていると思いますか?降ってると思いますか?  ああ、でも降りていたと思ったら昇っていたなんて『錯視(さくし)』のような階段もありますからね。  人生なんて、束の間(つかのま)の夢なのかもしれません。  〔だって/なぜなら〕、人の夢と書いて『儚い』なのですから。  人も風と水に愛される、人類という名の種族の、各々(おのおの)が一本の木。  本物の木は、他生物の何倍もの時を生き、朽ちてもその他の生命の依り代(よりしろ)となる。  そして人は、短い生であろうと、関わった人の心に必ずや何かを残して逝(ゆ)く。  生きる事を許された時の中で、儚くも美しい今を、今一度、精一杯、いざ生きぬかん。 🍃・.。*・::。゚・🍃・.。*・::。゚・ 本文は以上です。ご覧頂き、誠に有難う御座いました。 皆様からのご投稿及びご感想を、心よりお待ち申し上げております。 アレンジ例  〔だって/なぜなら〕、人の夢と書いて『儚い』なのですから。      ↓  なにせ、人の夢と書いて『儚い』と読むのですから。

17
#朗読#ポエム#男女兼用##随想

回答一覧0

まだ回答がありません

最初の回答者になってみませんか?