黒須木ヤト黒須木ヤト2026-01-12 03:24

【朗読】両手いっぱいのたからもの

《台本の概要》 手を伸ばす赤ん坊を見て思い付いた詩です。 母親目線で書きましたが、父親として読んでも問題ありません。 《ルール》 好きに読んでください。 一人称や言い回しの変更もOKです。 《お知らせ》 黒須木ヤトのXでは他にも多数の無料作品を公開・発信しています。 宜しければお気軽にフォローのほど宜しくお願いします。 ***《ここから台本》*** あなたはまだ この世界の名前も知らないのに 生まれてすぐに両手をひらくと まっすぐ私のほうへ伸ばしてくる その小さな掌はまるで 「どうぞ」と言っているみたいで ねえ あなたは何をくれようとしているの 生まれたての匂い 生まれたての重さ それとも今日という一日を 丸ごと肯定してしまう力 生まれてきてくれただけで 私はもう十分すぎるほど幸せなのに それなのにあなたは まだ何も持っていないはずの身体で 私に幸せを渡そうとする こんなこと、考えたこともなかった 生まれたばかりのあなたを 私は両手で受け取った 落とさないように 壊さないように でもそれ以上に 離したくなくて その小さな重みが 胸の奥に確かに届いて 嗚呼、私は今 愛を誓わされているんだ、って 与えるのはいつだって親の役目だと 疑いもしなかった でも あなたの指が私の服をつかむたびに 無垢な瞳でまっすぐ見つめられるたびに 心のどこかが、そっと満たされていく ぎこちなく両手を伸ばす そんな仕草さえ愛おしくて やっぱりこれは「どうぞ」って 差し出している手なんじゃないかって プレゼントを渡すみたいに 小さな両手で、精一杯 悔しいな こんなに小さいのに もう私を負かそうとするなんて でもね 母親としてここは譲れない あなたがくれたものよりも もっと大きな幸せで 何度でも 何度でも あなたを包み込む あなたがここにいること それだけで私はもう、満たされているから 小さな掌に、そっと手を重ねる とめどなく溢れる幸せの中で 最初にこぼれたのは 涙だった fin ***《ここまで台本》***

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#朗読#擬詩化シリーズ

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