登場人物:ぼく(先輩) 形式:一人語り/朗読用台本 ------------------------------------ 休日の公園は広すぎて、 心まで小さく見える。 芝生に寝転がっても空の青は遠く まどろみに沈むたび、 ぼくは自分がほどけていく気がした。 隣にいる彼の体温だけが確かなはずなのに、 目を閉じれば、それさえ幻のように 揺らぐ午後。 風が吹けば、ぼくらは簡単に散ってしまう。 根を持たないデラシネのように―― 居場所もなく、ただ漂いながら、 それでも彼の隣を選び続けてしまう。 この儚さごと抱きしめられるなら、 たとえ幻でも構わない。 ぼくの心は たゆたうばかりだ。 -------------------------------------
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