モノ……亜人の少年 エル……麗人の女性 番兵 セリフの言い回し改変などご自由に楽しんで頂けたら幸いです ーーーーーー 番兵『警護報告 856日目 豊穣(ほうじょう)の日 今日は、実に平和で、朝一番に山脈沿いにグレートドラゴンが優雅に飛んでいる姿が見えた、満ち足りた気分だった…… 検問設備の点検……外壁は問題無し……向こう数十年は持ちそうだ 門の稼働確認……動作に問題は無いが、少々スプリングの稼働がぎこちないよう見受けられる……油を刺すこととした 警護報告 857日目 黎明(れいめい)の日 今日は、鉄門の磨き上げ作業を行った、自分の管轄する設備の清掃も……番兵として大切な公務のひとつである…… 磨き上げた鉄門が……まるで鏡のように自分の顔を写す……こんにちは、ハンサムさん 警護報告 858日目 賛美の日 今日も、何も無い平和な1日だった 昨日磨いたばかりの鉄門が陽射しに照らされピカピカと輝いている とても晴れ晴れとした気分である 警護報告 859日目 双月の日 検問設備不備報告……今朝方、スプリングが弾けて鉄門が轟音と共に倒れた……憂鬱である 警護報告 860日目 群青(ぐんじょう)の日 朝から体がまるで、鉛のごとく重たかった……昨日の鉄門が倒れた後の処理に追われ、身体中の筋肉が悲鳴を上げている 我が城に「支給復興作業の増援を要求す、参上されたし」と、伝令を送る…… 警護報告 861日目 烈火の日 検問異常報告……倒れた鉄門の衝撃で空いてしまった大穴の中から、小さな鳴き声がした 様子を確認したところ……小さな小さな〝ウリボウ〟が、落ちてしまったらしい…… 救助活動も兵士の義務である……筋肉痛で痛む体にムチを打ち、その小さな小さな命を救助する…… 愛くるしい、森に返すと「ぷぎぷぎ」と鳴きながらその小さな足で走り去って行く、別れは切ない 警護報告 862日目 蒼天の日 今日は、入国希望の旅人が二人来た 以降はその旅人との会話記録をまとめた物とする……』 モノ「……え、ええと……ここから……城下街まで……と、10日……ですか?」 番兵「左様でございます、旅人殿」 エル「……あの……その……ここは……その、国の〝検問所〟で……間違え無いのですね?」 番兵「はい、この……今は鉄門は諸事情につきございませんが……この中より……我が国の敷地となっております」 モノ「……あっ……ひょっとして……凄く大きな国土を有していて…… 城下街以外にも……町や村とかも……沢山ある……そう言う諸国連合みたいな……そう言う国とか」 番兵「いえ、この国の中には……中央に城とその周りの城下街……それ以外の生活居住区域はございません そしてここは……そんな国を守る……防衛線、〝北部地点検問所〟となります」 エル「……で、ここから国まで歩いて……10日掛かる……と?」 番兵「はい、仰る通りです」 モノ「……無粋な質問かもしれませんが ……もうちょっと……近い位置から防衛しても良かったんじゃ……?」 番兵「いえ……我が国の始まりは……偉大なる初代国王様が……将来、広大な土地に膨大な国民が平和に暮らす……壮大な国になる事を願い 広大な国土を展開する……その成り立ちから、我々は日夜警護を怠らぬのです」 エル「……因みに国土に対し……利用できている範囲は……何割程で?」 番兵「2割程であります」 モノ「……絶対一部無駄になって」 エル「っ……コラ、モノ……!めっ!」 番兵「ふむ……近道でありましたら……森を抜ける道を行かれると良いでしょう であれば……6日で城下街には辿り着けるかと」 モノ「っ……そっちの方が良いかな……? 森を抜けたら、その後はどう行けば?」 番兵「森を抜けたら、大河が見えてまいります、その沿いを歩いて貰い……」 モノ「うんうん……それから?」 番兵「……グレート山脈を越えて頂き、そこから行けば……早いかと」 モノ「……」 エル「……山脈とは……ええと……あ、アレの事 ……ですか?」 番兵「はい」 モノ「……10日掛けて歩いていきます」 番兵「左様でございますか……では……ようこそ、我が国へ」 番兵『……以上、2人の亜人の少年と、麗人で気品のある淑女(しゅくじょ)の旅人との会話の記録である ……久し方の通行人であった、城下街に、私の愛する妻と子供がいる、私もそろそろ配属変えの時期だった ……城下街へ戻る事になったら、久しぶりに家族と会いたい、そう、国へと歩いて向かう旅人の背を見て思った 警護報告 1日目 天変の日 配属変えが行われた、初日となる 肌を刺す寒い風、見渡す限りの白い世界、あんな遠くに見えたグレートドラゴンが目の前に飛び吹き飛ばされそうになるスリル…… 検問設備不備報告……入れたばかりの熱々のコーヒーが一瞬にして凍る…… グレート山脈山頂検問所より、記す ……家族に会えるのは……当分先となりそうだ』 終わり
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