題名『天の原を焼く胸の焔』 よみ:あまのはらをやくむねのほむら Twitter(現X)のお題で書いた台本です。 ハロウ●ンも近いので、人外台本あげていきますね(内容は全くハ●ウィンしてませんが)。 少しでもお気に召して頂けたら幸いに存じます。 ※アレンジ・アドリブ大歓迎です。 以下、本文。 ゚・*:.。.✽⛩️✽.。.:*・゚ 『人間側』 石段を駆け上がった。 空へと、真っ直ぐに続くこの長い石段は、我が街の名物だ。 最後の一段を登り、両の膝に手を宛て、呼吸を整える。 吹いて来ては、じゃれついて去って行く、この時期としては少し冷たい風が、熱を帯びた肌に心地良い。 今にも零れ落ちそうだった額の汗を、手の甲で拭い払うと、整った呼吸と共に、私は一歩踏み出し、深々と礼をした。 そして、大きく息を吸い込み……、 「おはようございます! 本日もお願いに上がりました!」 と言った。 私がそう言うと、 「毎日喧(かまびす/やかま)しい! いい加減諦めんか!」 と、不機嫌を丸出しにした声が返って来た。 普通の人間ならば腰が抜けていただろうが、私はもう慣れっこであるので、負けじと大声で返す。 「ご自身で出された条件をクリアしたというのに、約束を守らない貴方様が悪いのでしょう! 今日で約束の日から更に一年です! 私は貴方様に、私の思いを認めて頂きたく、二年間、雨でも風でも嵐でも、毎日通って参りました! 今日も大好きです! そろそろ認めてくれますか!?」 ゚・*:.。.✽⛩️✽.。.:*・゚ 『神様側』 それは偶然だった。 偶然……? いいや、気まぐれか? 何でもいい。 とにかく、普段碌(ろく)に祀(まつ)りもせぬくせに、都合のいい時だけ助けを求めて擦(す)り寄って来る、『人間』と言う生物に興味が湧き、 「一年間毎日通って参れ。然(しか)らば汝(なんじ)の思いを受け容(い)れよう。」 と、言ってしまったのだ。 何故【一人称】はあの時、即座に断らなかったのか……。 謎は謎のままがいい。 ゚・*:.。.✽⛩️✽.。.:*・゚ 本文は以上です。ご覧頂き、誠に有難う御座いました。皆様からのご投稿及びご感想を、心よりお待ち申し上げております。 細心の注意を払っておりますが、誤字脱字などが有りましたら、是非、台本のコメントにてお知らせ下さい。宜しくお願い致します。
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