「お水はセルフサービスになっております」 つまり、 “あなた自身で取ってくださいね”ということだ。 水も、注文も、会計も。 気づけば飲食店のほとんどが、 客の手で完結するようになっていた。 合理性を追求した結果なのだろう。 人件費、効率、回転率。 誰かの負担を減らすための正解。 もちろん、 昔から立ち食いそばのような 必要最低限のサービスで成立する店はあった。 けれど、 家族との思い出の店を思い返した時、 真っ先に浮かぶのは 「効率の良かった店」ではない気がする。 「また来てね」 そんな何気ない一言や、 顔を覚えてくれていたこと。 少しだけ雑談をした帰り道。 たぶん人は、 食事だけをしに店へ行くわけではない。 だから時々、考えてしまう。 接客をしない接客業とは、 いったいどんな皮肉なのだろう。 今日もまた、 “サービス”という名の何かを受けながら、 それが接客なのか、 店側の都合なのかを考えてしまうのであった。
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