点滅する信号に急かされるようにして、駆け足で横断歩道を渡る。 まだひと月以上あるというのに街はクリスマスムード一色で、どこか浮足立って見えた。 日曜日のお昼時、駅前を行きかう人の影。 待ち合わせをしているあなたの姿が見え隠れする。 私って、単純だ。 それだけでプレゼントを貰った子どもみたいに、心が飛び跳ねるんだもの。 乱れた髪と息を整えて、あなたのもとへと歩み寄る。 ごめんね、待った? ううん、今きたとこ。 定番のやり取りももうお手の物。 いこっか、と出された手を握る。 私のより大きくて、ひんやりとしてて、少しカサカサしてて。 自分じゃケアなんてしないから、私がクリーム塗ってあげなきゃなんて。 そんなことを思うたび、今年も冬がきたことを知る。 さあさあ、行こう、はやくはやく。 行きたいところがたくさんあるのよ。 ゆっくり歩く彼を急かす。 これからもずっと一緒にいるけれど、あなたと過ごす今年の冬は、たったのいっかいきりなんだから。 ねえ、今日はどこにいこっか? ++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++ アレンジなどご自由にしていただいて大丈夫です。 みなさんのお声をお待ちしております。
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