この身が枯(か)れるその日まで

我(われ)は愛(め)でられるために生まれてきた。 周りには同じ宿命を背負った同士が凛(りん)と立っている。 我(われ)は愛(め)でられるために生まれてきた。 沢山(たくさん)の種から選抜(せんばつ)されしっかり日を浴び、いずれ来るであろうその日に備(そな)える。 我(われ)は愛(め)でられるために生まれてきた。 ふっくらとした蕾(つぼみ)を付けた我(わ)が身についに、ハサミは入れられた。 我(われ)は愛(め)でられるために生まれてきた。 故郷を離(はな)れ 同士と別(わか)れ、煌(きら)びやかな店で、別の同士と貴方(あなた)が我らを手にとるその時を待ちわびる。 我(われ)は愛(め)でられるために生まれてきた。 食べられる為(ため)でも、捨てられる為(ため)でもなく 我(われ)ら花は人々に愛(め)でられるために生まれてきたのだ。 発掘です あとは煮るなり焼くなりお好きにどうぞ 言い忘れてましので加筆2025/10/19 20:15