﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌ 最初は たったひとつの嘘だった。 誰も傷つけない 小さなごまかし。 ほんの少し場をやわらげたくて ほんの少し自分をよく見せたくて。 でもひとつ嘘をつくと その形を守るために もうひとつ またひとつ。 いつの間にか真実よりも嘘のほうが 生きやすく感じていた。 心の中の線が少しずつ薄れていく。 「これは悪くない」 「これくらいなら」 そう言い聞かせる声が だんだんと甘く響く。 気づけば他人の信頼を奪っていた。 言葉だけじゃない 目に見えないものも。 目に見えるものも。 嘘の延長線上にあったのは 盗むことと変わらない行為だ。 人は最初の嘘を軽く見る。 けれど それが道の始まりだった。 戻れなくなる一歩目を ぼくはもう 踏み出してしまっていた。 ﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌ ※参考:「嘘つきは泥棒の始まり」 平気で嘘をつくようになると 盗みのような不正な行為も平気で できるようになる という意味のことわざ。 嘘をつくことが道徳的な境界を越える 最初のステップとなり 悪の道へつながる警告として使われる。 ﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌
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