あの日、僕は街の片隅で立ち止まっていた。 行き先が分からないというより、 進む理由を見失っていたのかもしれない。 空を見上げると、 小さな雲がゆっくりと流れていく。 まるで、掴めそうで掴めない希望みたいに。 それでも心の奥では、 「信じたい」と何度も自分に言い聞かせていた。 足元に落ちる影は、昨日までの僕。 同じ場所を歩き続けている気がして、 何度も立ち止まりそうになる。 それでも、季節は待ってくれない。 初夏の雨が静かに降り、 僕の迷いを洗い流していく。 ふと視線を上げると、 そこにヒマワリが咲いていた。 太陽が見えなくても、 それでも空を向く花。 その姿が、なぜか胸に刺さった。 変わることは怖い。 失うものの方が多い気がして。 でも、変わらなければ、 ここから先の景色には辿り着けない。 そう気づいた瞬間、 これは逃げではなく、 僕自身の進化なんだと思えた。 痛みも、後悔も、 全部抱えたままでいい。 それらがあったから、 今、ここに立っている。 この場所こそが、 今の僕の居場所なんだ。 深く息を吸い、 一歩前に踏み出す。 振り返らなくていい。 僕は行く。 まだ誰も知らない、 僕だけの—— 未だ見ぬ景色へ。
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