﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌ 登場人物 神山 琴(かみやま こと):女性 神谷 誠(かみや まこと):男性 ﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌ (夜。書類の紙をめくる音。) 琴:ねえ、誠。 誠:なに、琴。 琴:この書類さ。名前を書く欄。 誠:うん。 琴:“神谷 琴”って、まだ慣れない。 誠:やっぱり? 琴:音がね。違う。 誠:"こと"って呼ぶときは同じなのに。 琴:呼ばれる前の、名乗るときが変。 誠:山、が消えるから? 琴:消えるっていうか。 誠:谷のほうに来たのに。 琴:そう。近づいたはずなのに、自分が薄くなる。 誠:俺はさ。名字が変わらない側だから、簡単に言えないけど。 琴:うん。 誠:違和感、無視しなくていいと思う。 琴:でも結婚って、そういうものだって。 誠:誰が決めたんだろうな。 琴:昔から、かな。 誠:じゃあさ。 琴:なに? 誠:名前を変えない結婚、選んでもいいんじゃない? 琴:……別姓? 誠:うん。名字が違っても気にしない。 琴:でも、周り、うるさいよ。 誠:名前が似てる時点で、もう十分うるさかった。 琴:ふふ。ねえ、誠。 誠:なに? 琴:“神山 琴”のままで、隣にいていい? 誠:当たり前だろ。むしろ。 琴:むしろ? 誠:その名前を、俺が一番近くで呼びたい。 琴:変わらないって、守ることなんだね。 誠:うん。同じになる方法は、一つじゃない。 琴:じゃあさ。これからも、このままで一緒にいよう。 誠:名字が違ってもね。 琴:音が、ちゃんと重なってるから。 ﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌
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