残暑厳しい折、いかがお過ごしでしょうか。 少しでもお気に召して頂けたなら重畳に存じます。 ※アレンジ・アドリブ大歓迎です。 例:本当に怪談をしゃべっているように、「ちょっと」とか「あのー」とか「えー」等のつなぎ言葉を付け足したり、「それで」を「で」や「でですね」と言ってみたり。 以下、本文。 「これは、【一人称】が小学校低学年の頃の話です。 【一人称】が通っていた小学校は、1・2年生が木造の旧校舎、3から6年生が今時風の鉄筋コンクリート造の新校舎を使っておりまして、そして、その二つの校舎の中間に体育館があり、その全部が渡り廊下で繋がっている。そんな構造になっていた学校だったんです。 ま、旧校舎の方は老朽化が進んで、数年前に取り壊されてしまって、今はもう無いんですけど……。 今からお話しさせて頂くのは、そんな今は無き旧校舎で、【一人称】が実際に体験した不思議な出来事です。 【一人称】が小学2年生のある日、まだ夏休み気分が抜けていなかったんでしょう、帰宅した【一人称】は、学校に宿題のプリントを忘れた事に気付きまして、その事情を母に告げ、大急ぎで学校に取りに戻ったんです。 母は「車で送って行こうか?」と言ってくれたのですが、まだ明るかったですし、家から学校まで結構近かったので、母の申し出を断って、【一人称】は一人で、ついさっき下校して来た道を、再び歩いて行ったんです。 そして、学校の門をくぐり、昇降口に着き、普段なら〔下足箱/下駄箱〕にきちんと靴を入れるのですが、まあすぐ来るし良いだろうと、外靴は出しっぱなしで、でも上履きには履き替えて、あの、画鋲とか何か踏んだりして怪我したら、自業自得とはいえ踏んだり蹴ったりじゃないですか。そんな痛い思いはしたくなかったので、上履きにはちゃんと履き替えて、旧校舎の2階へ向かったんです。1階は1年生、2階は2年生が使っていたので、【一人称】は2階へ、トントントントンと階段を昇って行ったんです。 秋口の夕方の校舎内は既に薄暗かったんですが、幸いなことに、新校舎にありました職員室には、まだ煌々と電気がついていたので、その明りを頼りに、自分の机を探したんです。 そして、「あ、ここだここだ」と、自分の机の中からプリントを取り出しまして、さあ帰ろうと教室を後にしようとしたその時、【一人称】はこの時、来るも帰りもずっと黒板側、つまり教室の前の入り口から出入りしたんですけど、帰ろうと廊下に一歩足を踏み出した時、後ろの入り口から、見知らぬ誰かが教室の中へと、スゥ……と入って行った気がしたんです。 見回りの先生では無かったです。 かといって、同級生でも下級生でも先輩でもありませんでした。 何故なら、【一人称】が通ってた頃からまあまあ年代物の木造校舎だったので、誰かが来たならその足音がしっかりするはずなんですよ。でも、そんな音もしなかったですし、何より、その見えたモノに、色が無かったんですよ。 性別も表情も分からない、煙のような霧のような、ただただ真っ白な人影だったんです。 それで、【一人称】は途端に怖くなりまして、もう、後ろを一切見ずに、家へ帰ったんです。 「あー、ビックリした。鉢合わせしなくて良かったなぁ」なんて思いながら。胸をなで下ろすというか、バクバクしている自分の心臓を落ち着けつつ……。 しかし……、どうしようもなく気になる訳ですよ。食事をしていても、お風呂に入っていても、宿題をしていても、床に就いても……、さっき視界の端に見えたアレは、一体何……いえ、誰だったのだろうかと……。まあ、あれからウン十年経った今でも、未だに正体は分かっていないのですけれども……。 言ったところで、きっと誰も信じてくれないだろうと思い、今日(こんにち)まで誰にも言ったこと無かったんですけど、今回こういう場で話せて良かったです。 とまあ……そんな、今でも時々思い出す、【一人称】の幼少期の思い出でした。 ここまでのご清聴に感謝申し上げ、【一人称】の話を終わらせたいと思います。どうも有難う御座いました。」 本文は以上です。ご覧頂き有難う御座いました。
最初の回答者になってみませんか?