海棠 かず海棠 かず2025-12-21 01:51

『河童の河太郎』2025version

過去に一度公開させて頂いた台本なのですが、再度演じて頂きたく。。。 という訳で、PCぶっ壊れ~の、過去台本全部消滅し~のなので、思い出しながら書いてます(´;ω;`)ウッ…。 朗読でも、掛け合いでも独り芝居でも何でも可です。SEやBGMもご自由にお願いします。 コエミーンの皆様にも読んで、詠んで、演じて頂けたら最高です。よろしくお願いいたします。 以下、台本 出演:川田正太郎・河童(河太郎)。その他(お母さん、おばあちゃん、娘) 【河童の河太郎】(かっぱのかわたろう) SE:夏を思わせる背景音(セミの声など) 正太郎:小学2年生の夏休み、僕は田舎のおばあちゃん家に預けられた。おばあちゃんの家は本当に田舎で、周りは田んぼと川と山しかなくて、毎日僕は携帯のゲームをしたりして退屈な毎日を過ごしてた。 そんな時「正太郎、裏の山には入っちゃあダメだよ。」僕はおばあちゃんの言ってたことをふと思い出したんだ。入っちゃいけない、なんて、何があるんだろう?  そう考えたらもう、僕は冒険したくてうずうずしちゃって、それで、その日、気が付いたら裏山の道を歩いてたんだ。  裏山の道は決して険しくはなかったけれど、誰も来ないんだろうな、誰も歩いてないんだろうな。と思うほど草や木が生い茂っていた。僕は気にせず、ずんずん歩いていった。  葉っぱのザワザワする音、セミの声、どこかで鳴く鳥の声。どこまで歩いてきたのか、いきなり目の前に沼があった。緑色っぽいような、茶色っぽいような、でも水は綺麗そうだなってゆう、不思議な沼。僕はその沼を見ながら深く息を吐いた。そして、暑いなぁ、おでこの汗を掌で拭きながらそう思った瞬間。 ~ぽちゃん。。。。~水の跳ねる音がした。 そうしたら、いたんだ。顔をあげた僕の目の前に、いたんだ。 河太郎:「よう、おめえ見ない顔だな。」 正太郎:河童だ!!僕は声が出なかった。緑色の体、まん丸い目玉、ボサボサの緑色の髪、黄色いくちばしみたいな口、そして頭のてっぺんはツルッツル。いつか絵本でみた河童だ。すごい、河童って本当にいるんだ。 河太郎:「おいらは河童。河童の河太郎ってゆうんだ。」 正太郎:「あ、、、、あ、ボ、僕は正太郎。川田正太郎。」 すごい、本物の河童だ。僕は感動していた。そして、ポケットの中に入ってた飴を河太郎に差し出しながら答えた。河太郎は水かきの付いた手で飴を受け取り、しばらくジロジロと見た後で、くちばしのついた口へぽーんと入れる。 河太郎:「おう、なんだこりゃ。・・・旨ぇな。・・・で、おめえ。ここに何しに来た?」 正太郎:河太郎が口をもごもごさせながら聞いてきた。なんでって。そう言われて僕は、気が付いたら思っていた事やここへ来た理由を話していた。 「お父さんとお母さんは大事な話があるの。だから正太郎はしばらくおばあちゃん家に居てね?」そんな風にお母さんに言われて僕が夏休みにスグおばあちゃんの家に預けられた事、友達もいなくて公園もなくて毎日退屈していたこと、それから寂しかったこと。それから。。。 「でもさ、だって、おかしいよね?僕がいたら出来ない話ってなに?僕一人でさ、おばあちゃんはいてくれてるけどさ。毎日待ってるのに、お母さんもお父さんも迎えに来てくれなくてさ。もう夏休みも終わっちゃうよ?僕は、、、」 僕は言葉にならない何かを伝えたくて、一気に喋った。 河太郎:「おめえ、苦しそうな顔してるなぁ。流れに逆らって泳ぐ時みてぇな顔だなぁ。」 正太郎:そんな僕に向かって、河太郎はポツリと言った。 河太郎:「あー。人間てのは、面倒だなぁ。苦しけりゃ苦しまないようにすりゃあいい。流れに逆らわずに流されてみりゃあいい。流されたってどうってこたあねえ。それでも、どうしても行きたいとこまで泳ぎてえんなら、歯を食いしばってやるしかねえ。・・・簡単だろ?」 正太郎:「簡単なのかな?・・・うん。でも、何だか今まで話せなかった事話せて、少しすっきりした気がする。」 僕は少しだけだけだけど、久しぶりに笑えた。 河太郎:「そうかぃ。そら良かった。んじゃあなぁ、またいつでも来いよ~・・・」 ~ぽちゃん・・・~ 水の跳ねる音がして、そうしたら河太郎は消えていた。あのへんな色した綺麗な沼も消えていた。 (SE)樹々のざわめき、セミの鳴き声。遠くで聞こえる鳥の声。 正太郎の娘:「それで、パパは、その不思議なお友達とはまた逢えたの?」 正太郎:「はは、それがね。あの日の後からは、一回も逢えていないんだぁ」 正太郎:僕は娘と手をつなぎながら裏山の山道を歩いている。結局、あの夏休みが終わるころ、お母さんが迎えに来てくれて。迎えに来てくれたはずなのに、どうしてかお母さんも一緒におばあちゃんの家に住み始めて。僕は夏休みが終わってすぐ転校して。そうして。色んな事があって、何度も夏う休みが始まって、そして終わって。たくさんの、たくさんの時間が流れて。僕は大人になった。就職もして、結婚もして、子供もできて。 自分で言うのも何だけど、大変なことも苦しいこともいっぱいあったけれど。それでもこうやって平凡に、そして幸せに暮らしている。 正太郎:河太郎。飴、おいておくからさ。食べてよね。 僕は森の中の静かな陽だまりにそっと飴をおく。振り仰ぐと、あの日と同じ木漏れ日が目に痛かった。人間ってさ、本当大変だよ。いつかまた逢えたら、また全部聞いてよ、ね。 娘と二人、元来た道を帰ろうと前に向きなおった瞬間。 ~ぽちゃん・・・~水の跳ねる音が聴こえた気がした。 =Fin= 「」内は実際に声に出てる台詞で、「」内以外は心の声として読んで頂けたら。。と思います。 うろ覚えな部分も多かったので改編も入ってると思います。 演じて頂ければ幸いです。 何卒宜しくお願い致します。(*- -)(*_ _)ペコリ

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#声劇#朗読

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