﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌ 画面の向こうに 誰かがいると思うと 少しだけ呼吸が軽くなる。 "いいね"の数を数えるたび ぼくは生きてる気がした。 本当の気持ちなんて 見せる勇気はない。 明るい言葉を並べて 笑っているふりをすると 誰かが応えてくれる。 そう信じてぼくは今日も タイムラインに言葉を投げる。 嘘を並べた言葉でも 共感してくれる。 それを見て安心するぼくを 誰も知らない。 指先が少し冷たい。 でもコメントが届くたび 心が温まる気がした。 それでも 画面を閉じるたび 胸の奥に沈む音がする。 本当は誰にも気づかれたくなかった。 "頑張る"と打った手の震えも "大丈夫"と言った夜の涙も。 それでも返ってくるコメントに ぼくは救われていた。 だから今日も “ありがとう”と書き込む。 嘘のままでも 繋がっていたいから。 たとえ 本当のぼくを 誰も知らなくても。 ﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌ ※参考:「ある嘘つきライターの希望」 (繋がりの始まり) https://coemee.com/topics/fIsICuR9ZWPdwJhuHedWM ※こっそりリスペクト:道尾秀介氏「I」 二編から成る物語。読む順番は自由。 あなたの選択で結末が変わる。 「一冊の本」の概念を壊す2年ぶりの新作。 35万部突破『N』を凌ぐ衝撃。 ﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌﹌
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